岡山マラソン ~ 番外編 ~

写真を拡大してみたら「この先40m」という文字があるのに気がついた。自分は完全に横断歩道の真横にある柱だと信じて疑わなかった。もう1枚の写真を見ると確かに横断歩道は遠くにある。あ~、何という勘違い。またやっちゃった。

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時計を見るともう2時半だ。すでに片付けられているかもしれない。そこまで行くのに早くても1時間余りかかるらしいのだが、ウサギマンさんが先に来て持ち帰ってしまうかもしれない。でも迷ったのは一瞬で、間違いに気づいた時にはもうその場所に行くのは決めていた。なくったっていい。その場所を自分の目で確かめておきたいのだ。

送迎バスは長蛇の列。近くのバス停まで走って行って路線バスで岡山駅に出る。ここで乗り換えるのだがこれがよく分らない。振り向いたらタクシー乗り場がある。本当は最初にタクシーで行くことは考えたのだが、お金も荷物と一緒にホテルに預けていて、持ち合わせが7千円ほどしかないので諦めていたのだ。せっかくなのでタクシーの運ちゃんにそこまでいくらかかるか聞いてみたら、3,000円ぐらいだと言う。それを越えたらメーターを止めてやるよとも言ってくれた。それなら往復できる。運は我に味方したと思った。

タクシーに乗り込んで運転手さんにわけを話してできるだけ急いでくれるようお願いした。その場所に到着するまでの20分ほどの時間はあっという間だった。確かに横断歩道から離れたところに柱がある。走っている時はまったく気にも留めなかったものだ。タクシーを降りて近づいてみる。ウサギマンさんが取り付けたようではないが細長いひものような感じで巻かれているのが見えた。誰かが片付けようとしてまたくくり付けたのか。でもそれは間違いなくあの鉢巻きだった。

この年でも感動するね。本当に嬉しかった。ウサギマンさんは試験が終わったら必ずここを見に来る。その前にどうしても自分の手にしたかった。タクシーに戻って裏に書かれたメッセージを読む。「ようこそ岡山へ ゴールまで頑張って下さい!」「なんだよ、このセリフ。普通過ぎるじゃないか。」なんて思ったら思わず笑いだしていた。人って感動し過ぎると笑っちゃうのかなあ。すでにウサギマンさんの思いは前日のブログで十分に伝わっていた。応援されているという気持ちをずっと背負って走ってきた。でもこのメッセージはどうしても自分の目で見たかったんだ。

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空港でビールを飲みながら今日を振り返る。何はともあれハッピーエンド。タクシーの運転手さんの思いやり。バスで席を譲ってくれた優しい女性。おかげで目的を果たせました。ありがとうございました。マラソンも最高。岡山の皆さん、お世話になりました。

 

こう書いてくるといかにも感動ものの物語のようになってしまったけど、要は最初にちゃんと確認しておけば鉢巻きはごく普通に受取れただけのお話だった。本当は書くほどのことでもないのだけど、これらすべてひっくるめてごいさんの性格だということが皆さんに伝わればと思って書いてみた。まあこれもいい思い出なんだろうね。

ウサギマンさん、タスキは無事につながったよ。

 

ごいさんのマラソンお守りグッズf:id:goisan:20161117131217j:plain

 

岡山マラソン ~ 当日 ~

7時半に会場に到着して、すぐに上着とズボンを脱いで臨戦態勢に入る。今日のごいさんはBブロック。番号はタイム順らしく自分の前には3,000人ほどいるようなので、今日の目標は2,000番前後と設定する。翌週にはつくばマラソンがあるのであまり頑張り過ぎなくてもとは思うのだが、応援してくれている人を思うとそうそう手も抜けない。

さて8時45分ちょうどに号砲が鳴り、1分40秒遅れでスタート地点を通過する。最初の1キロは5分13秒で、次の1キロからはキロ5分を切るペースに入る。最初の10キロが49分4秒。次の10キロを48分17秒と順調だ。道路も広くて走りやすい。

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さて今回は岡山にいるブロ友のウサギマンさんとの約束があった。彼は床のワックスがけ清掃などの仕事をしている。彼はその会社の会長さんだそうだが、ふだんは現場で社員さんと一緒に働いている。ここから先はごいさんの推測になる。彼の記事を読んでいると性格は豪放磊落的な感じを受ける。ただこういう人にはありがちな神経の細かい人だとも思う。情にもろく何かと世話好きの人の良いおじさんと言ったところかな。嘘のない純粋な人なのだと思う。

その彼が大会当日は応援に行けないから何かサプライズを用意するという。そして周到に計画されたのが25キロ地点を過ぎたところにある横断歩道の標識の柱にメッセージを書いた鉢巻きを巻き付けておくというものだった。

そして待ちに待ったその地点がやってきた。ところがないのだ。柱付近に立っていた人にどいてもらってその周りも探してみた。その人たちにも見かけなかったか聞いてみた。1分近くはうろついただろうか。しかし見つからない。時間の制約もあって諦めざるを得なかった。

さて彼にはどう伝えたらいいものか。いや、それ以上に今のロスを取り返さなければならないという思いの方が優った。このことでペースが落ちたと言い訳したくない。懸命に走ってこの1キロが5分40秒。そうして次の1キロを4分53秒で走る。

その次が5分2秒とようやく元のペースに戻りかけた時、今度は救急車によって足止めされるというハプニングに遭遇した。周りにいたサブ3.5を狙う人たちからは悲鳴にも似た声が上がる。ここでかなりの人が気落ちして脱落した。この10キロはそんなこんなで50分34秒かかった。それでもごいさんはまだ諦めない。31キロの最後の難関と言われる岡南大橋も周りの声援に応えてスピードを上げる。この1キロを4分59秒でクリアした。

けれども河川敷に出てしばらくすると、タイムが少しずつ落ち始める。そして残り5キロを切って5分20秒台へ。もう周りの人たちを見て手を振る余裕はない。この10キロは52分59秒。そうしてようやくラスト2.195キロに入る。自分の頑張りを見せる最後のチャンスだと考え、懸命に腕を振って前のランナーに追いつき抜いていく。そうしてゴールイン。タイムは3時間32分21秒。順位は1,089番。

着替えが終わってもウサギマンさんの鉢巻きのことが頭から離れない。悔しいのだ。ボーっとした頭で彼のブログを何回か読み返していた。そうして何気に写真を拡大した時、ごいさんは気づいたのだ。(番外編につづく。)

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岡山マラソン ~ 前日 ~

12日土曜日、羽田空港を7時20分に離陸。岡山空港からは高速バスで約30分。9時半に岡山駅に到着した。ホテルに荷物を預けて10時からの前日受付けに向かう。何故こんなに急ぐかと言うと、今回は1泊2日の日程なので、今日のうちに観光を済ませてしまおうという考えなのだ。

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受付けを終えて、川沿いに後楽園に向かって歩いて行くことにした。ちょうど現代アートの国際展覧会というのも行われていてランナーは500円割引になるというのだが、ごいさんはその方面にはあまり関心がない。後楽園のような広いところをのんびり歩く方が自分には向いている。

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広い芝生の上でお年を召したご夫婦が食事をしていたが二人で会話している様子はとても楽しそうだ。所々に見られる紅葉も鮮やかだった。さすがに晴れの国、岡山。なんか分かるような気がした。ちょうど菊の展覧会が開かれていて、その艶やかな姿はとても素晴らしかった。

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街のあちこちに桃太郎に関連したものがあるというのでそれを探しながら岡山駅まで歩いて行く。最初に見つけたのがマンホールのふた。そしたら消火栓や水道栓のふたにも桃太郎さんが描かれていた。そのうちキジ、イヌ、サルの像が現れ最後に可愛らしい桃太郎さんが登場。横断歩道のところには飛び出し防止用なのか鬼の金棒が通せんぼをしていたのも面白い。そして最後は駅前にある桃太郎さんご一行の立派な立ち姿。

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駅に着いてまだ2時を少し過ぎたところということで、桃太郎伝説のモデルとも言われる大吉備津彦命を祭ってある吉備津神社に行くことにした。桃太郎線(吉備線の愛称らしい)の吉備津駅で降りて徒歩10分ほどのところにある。駅に着くたびに桃太郎さんのメロディが流れて、何回も聞いたらきび団子を食べ過ぎたような気がしてきた。

思っていた以上に大きい神社だった。七五三のお祝いで何組かの親子連れがいたのだが、それを見たらうちの孫のことが思い浮かんだ。来る27日にお祝いがある。長男がごいさんのマラソンのない日にとわざわざ合わせてくれたのだ。いつもだけど申し訳ない。

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この神社の裏手を回って備前一宮までの散策路があるというのだが、今日はもう時間がない。いやそれ以上に今日の朝からの歩行距離がすでに25キロを超えていた。丸一日夢中で歩いていた。明日のことを忘れて歩き過ぎたみたい。おまけにお昼も食べていなかった。ということで、一路ホテルに戻ることに。

途中のスーパーで夕食と翌日の朝食を買い込む。チェックインしてベッドに足を放り出してようやく一息ついた感じ。いつもながら行き当たりばったりのごいさんでした。

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雨の日の感情

たまに聞く雨の音もいいな。昨日の夕方から雨がしとしとと降り出した。若い頃は雨の中を歩き回るのが好きだった。高校生の時は土砂降りの雨の中の練習なんていうのも大好きだった。みんな泥んこの顔でお互いに見合って笑い合った。雨の音を聞きながら、雨が縦に流れていくのを見ながら、喫茶店でコーヒーを飲むのも好きだった。あの感覚って何だったのだろう。

雨にまつわる曲って聞いているだけで気持ちが落ち着いてくる。こういう気持ちになる時って、少しばかり疲れているのかもしれない。でもこういう時でもないとずっと人間やってられないようにも思うね。ごいさんにとって、今日の雨はそんなタイムリーな雨だ。

朝、みんなが出かけて静かになって、雨が落ちているベランダを何気に見やったら、遠い思い出がよみがえってきた。いつも言っているのだけど、ごいさんはどの時代も懸命に生きてきたと自負している。だからもう一度あの頃に戻りたいと思うことはほとんどない。もうそれはそれで完結しているからね。そして同じようなことをやってみたいとも思わない。あの頃がなかったら今を生きていないわけだし。もしその時に戻ったらそこから違う人生を歩むことになるのかな。そしてそこには今以上の幸せがあるかもしれない……って。今以上の幸せ?どうもピンとこないなあ。

いいよ。今は今で十分幸せだ。ずっと働いていて子育てが終わってようやく自由になった。この先には母の介護があったりはたまたいろんな難解なことが待ち受けていたりするかもしれない。そんなのは当たり前のことだと思う。だから今の自由をできるだけ謳歌したいと思うのさ。

明日は岡山マラソンに出かけていく。「えっ、また?」なんてうちのにも呆れられている。でも岡山といったらきび団子ぐらいしか知らなくて、後楽園にも行ったことがない。ちょっと行ってみたくなったんだ。思い立ったが吉日というでしょう。もっとも来週には本命のつくばマラソンが控えているから、正直今回は練習の一環と考えている。もちろん応援してくれている方がいるからそうそう手は抜けないけどね。

さて、お昼近くになってあれほど降っていた雨も上がった。今日は午後からの仕事。傘は必要なさそうだ。年を取って、今は昔のように雨の中を歩きたいとは思わくなっちゃったな。

 

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うちの奥さんのお話し Part2

うちの奥さんの経歴は前にも書いたが、看護師として何年か働いた後に看護学校の教員として長く働いていた。50歳近くになって現場に復帰。師長として脳外科病棟に勤務した後に遺伝子研究のお手伝いをするようになった。定年退職をした今も東京の病院に移ってそのお手伝いを続けている。

とにかく働くのが大好きだ。教員時代は帰ってくるのはいつも夜の10時を過ぎていた。現場に戻ってからも同じようなもの。今も朝の6時に出勤し夜の8時を過ぎて帰って来る。そういうことで彼女が家で料理を作ることはほとんどない。子供の夕食やお弁当作りはごいさんの仕事になった。もともと料理をするのは好きではないのだと思う。

そこでよく高島屋で惣菜を買ってくる。それに勝烈庵のトンカツ。ごいさんがそこらのスーパーで買ってきたコロッケやごいさん手作りのトンカツには見向きもしない。高い豚肉じゃなくたって揚げたてが一番美味しいのにと思うのだが。

家で会話があるかということだが、彼女はかなりのお喋りだ。喋らせればすっと喋っている。自分がもう飽きて背中を向けてもまだ喋っている。話題はその日のニュースのことが多いが他に仕事関係や孫たちのことなどだ。

話をすれば行き違うこともある。彼女はいつも自分が正しいと思って決して謝ることはない。昔はそれで大喧嘩になったりもした。ただ最近は危険を察知したら自分の部屋に一時的に避難することにしている。彼女は少し時間が経つと喧嘩したことをすっかり忘れてしまうのだ。もともと大した理由ではないしね。リビングに戻るとお菓子を食べながらテレビを見て笑っている。そこからはまた普通に会話が始まるというわけだ。

共働きだが、共通で使う分のお金を出し合ったら残りはそれぞれのものだ。そしてその使い道にはいっさい干渉しない。お互いにいくら持っているかなんていうのも把握していない。これでも結婚した頃はお小遣い制だったのだが思うようにはいかず、今の形にしてからはお金のことで言い争うこともなくなった。

彼女は友だちがけっこうたくさんいて、ランチに行ったりカラオケに行ったりと休日にも家に居ることはほとんどない。新宿や麻布六本木界隈は大好きな場所である。それに毎年のように海外にも行っている。去年はカリブ海クルーズで今年はニューヨークにナイアガラだ。いくらお金を使ってもごいさんは気にしない。もちろんごいさんがどこに走りに行くのも自由だ。そうそう最近は株式投資にはまっているみたい。あちこちの説明会によく出かけて行く。まだまだ稼ぎたいらしい。

これで夫婦なのと思われるかもしれないが、彼女が留守にして一人でいたりするとやはり違和感を覚えるからそれらしい意識はあるのだと思う。それでもお互いに束縛されない自由の方が大事だと考えている。来世も一緒になろうなんていうのを耳にすることがあるが、今の世の中のご夫婦たちはどれくらいそう思っているのだろう。

 

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大阪マラソン ~ 観光編 ~

走り終えて、感動に浸りながらゆっくり着替えていたらもう3時近くになっていた。本当はホテルで汗を落として横になりたかったのだけれど、今回は明日には帰らなければならないから少しでも観光しておこうと考えた。目的地はもちろん通天閣。エレベーターに乗るのに45分も待つという。いつもなら簡単に諦めてしまうのだけど、今日は辛抱強く待つことにした。なかなか風情があって味わい深い。まだまだ大阪の顔かしらと思う。ビリケンさんの足を撫でているところの写真を1枚購入。これを飾ればまたしばらくは元気に走れるだろうか。

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下りてきたらもう6時を回っていたので、夕食を食べようとお店を探す。串カツやたこ焼きを売っているお店がたくさんあり過ぎてよく分らない。あれこれ迷っているうちに興味を引かれるお店を発見。これといった売りは無さそうだが、威勢のいい大阪弁が聞こえてくる。中を覗いたらご主人が常連さんとおぼしきお客さんと掛け合い的に話しているのだ。これが聞いているとなかなか面白い。ちょうどカウンター席が1つ空いているというので早速に入ってみることにした。う~ん、生ビールが美味しい。串カツも旨い。最後にカツカレーを頼んだらとんでもない量だった。ご主人がにんまりと笑って、「大盛りサービスやで」だって。えっ、こんなに食えないよ~とも言えず、黙々と全部平らげた。でもいい感じの店だった。大阪ファミリーの一員になった気分。また寄りたいね。

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さて一夜明けて、今日はスタート地点だった大阪城、それにあべのハルカスを見て、そして夜の新幹線で帰途に就くという予定だ。10時にチェックアウトして大阪駅のコインロッカーに荷物を入れ、そして大阪城公園駅に向かう。昨日の様子を思い出しながら本丸を目指す。大河ドラマではちょうどこの大阪城が舞台ということで、特別展が開かれていた。

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次はいよいよあべのハルカスだ。1,500円の入場券を買って60階の展望フロアに上がる。エレベーターを降りるとパッと視界が広がる。全面ガラス張りの透き通った感じが新鮮だ。それに眺望は抜群。大阪城通天閣も小さいなあ。下を見ると思わず吸い込まれそう。みなとみらいのランドマークより少し高いのかな。せっかくなので58階でコーヒータイムと洒落込んだ。

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時間的にまだ余裕があるので道頓堀あたりをぶらつくことにする。平日だというのにたくさんの人で賑わっている。この日はハロウィンということで仮装している人も目立つ。例のグリコの前も人で溢れかえっていた。せっかくなので昨日走った道をゆっくり大阪駅に向かって歩いてみる。昨日はほとんどこの辺の景色を見ていなかった。

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さて大阪駅ともお別れ。おっとその前にもう一度「時空の広場」に行ってみよう。わずか2日前の出来事、もう一度噛みしめてきた。新大阪駅でお土産とお弁当、それにビールを買って電車に乗り込む。6時43分、こだま682号が静かに動き出す。

大阪、最高でした。ありがとね。

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大阪マラソン ~ サブ3.5への走り ~

朝、4時少し過ぎに目が覚める。小さい頃の遠足の前日のような気持ちの高ぶりは年を取った今でも変わらない。会場には7時半に到着。荷物を預けてトイレに並んでいると早くも整列のアナウンスが流れてくる。整列の場所までは歩いて20~30分かかるというのだ。ウォーミングアップを兼ねてジョギングでスタート地点に向かう。今回のごいさんはCブロックからのスタート。実はこのブロック、なんとPまであるというから驚きだ。

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周りの顔触れを見てちょっと弱腰になるけれど、でも今日は周りの人との戦いではない。今日の目標は、20キロまでをキロ5分を切るペースで走り、さらに30キロ近くまでそのペースを維持できるかということだ。それが出来れば次のつくばマラソンでのサブ3.5が見えてくるに違いない。だから今日は自分の気持ちとの戦いになる。

9時ジャストに号砲が鳴る。いつものように大混雑だが、最初の1キロは5分15秒とロスを最小限に抑えることができた。次が5分ジャスト。3キロからは予定通り5分を切るペースになる。5キロを過ぎて体が温まってくると少し余裕も出てきた。最初の10キロは49分08秒。沿道の人の数が半端じゃなく声援も凄い。ハイタッチを交わしながら順調に走って行く。次の10キロも48分33秒と今日の第一段階の目標を達成。

さあこれからが課題の10キロだ。コースは平坦でそれほど苦にはならないが、少しずつ疲れを感じ始めている。それでも30キロまでのこの10キロも49分36秒とキロ5分を切るペースで走りきった。ここで「今日はもういいか。」という考えが頭をよぎる。確かにざっくり計算するとサブ3.5達成のためにはこれからの12キロをキロ5分5秒のペースで走らなければならない。今までの経験からすれば相当に難しいことだ。

この時、このブログを読んでくれている皆さんのことが頭に浮かんだ。ここで頑張ったという記事が書けたらみんながどんなに喜んでくれるか。それに昨日お会いしたばかりのカメキチさんご夫妻の笑顔も見えた気がした。そうだよ、こういうチャンスは何度も巡って来るものではない。ここで頑張らなければみんなの思っているごいさんじゃない。

今回はニックネーム入りのゼッケンも励みになった。時々「ごいさん、頑張ってぇ!」と声がかかるのだ。名前を呼ばれるのってけっこう嬉しい。500円の募金ってそんなに高くはないと思ったよ。大きな手の間から伸びてくる小さなお手手にもハイタッチ。あらまあとド派手なお姉さまともハイタッチ。とにかく沿道の皆さんから元気をもぎ取りながら走って行く。

そしてついに40キロ地点にやってきた。あと2.195キロだ。このために40キロを走ってきた。ここからの2.195キロはアカデミー賞の赤じゅうたんのようなものだ。周りにはたくさんの観衆もいる。今からごいさんはディカプリオになったつもりで華麗に走る……なんてやっぱ無理。最後の角を曲がって、ついにあのゴールが見えた。さあ今度こそ華麗に……ゴーール。タイムは3時間28分58秒。サブ3.5達成。順位は3,360/30,298。

最後になりましたが、応援してくれた皆さま、ボランティアの皆さま、大会関係の皆さま、お世話になりました。ありがとうございました。

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