墓参り

今日は、お彼岸の中日。昨日とは打って変わってよく晴れた春らしいお天気になった。春と秋のお彼岸には、母を連れて妹たち夫婦と一緒に、父と祖母の墓参りに出かけている。

小さい頃のごいさんは茨城県の日立というところに住んでいたが、時々横浜から遊びに来る祖母が大好きだった。抱きしめてもらって頬ずりしてもらうのが大好きだった。帰るときはいつも泣いてしまうから、たいがいはごいさんが小学校に行っているときにそっと帰ってしまう。そろそろ帰るんじゃないかと思ったとき、急いで学校から帰って祖母の顔を見たときのなんとも嬉しかったことを思い出す。父の仕事の関係があって、やがてごいさんたちも横浜に出てきた。だからそれからは大好きな祖母がずっとそばにいて幸せな気分だったのに、でもごいさんは小さい頃のように祖母を大事にはしてあげなかった。祖母は、ごいさんが30歳のときにくも膜下出血で亡くなった。

父は大工をしていて職人肌の人で、宵越しの金は持たないなんてところがあって、家はいつも貧乏で、そのくせ自分は酒ばかり飲んでいた。そんな父親をごいさんはずっと嫌いだった。高校時代は口をきいたことも無い。大学の後半になって少しばかり会話ができるようになったが、まだまだ大きな障害物がある感じだった。そんな父は、ごいさんが就職した年に、会社で脳溢血で倒れ意識を戻すことなく帰らぬ人になってしまった。ごいさんから初めてもらったお小遣いを財布の中に大事にしまったままで。それから40年近くが過ぎる。ごいさんが年を取るにつれ、その頃の父の気持ちが少しずつ分かってきたように思う。一度だけでも一緒に酒を飲んであげればよかった、飲みたかったなあ。

父の墓は、横浜市大和市の境目のところにある。それほど遠くはないので、何か事あるごとにお参りに行く。勝手だけど、今は父を信じている。自分の頑張りを父が見ていて、そして判断してくれるとね。すべての結果は父さんの思し召しだと。

父も祖母も亡くなってからその大切さを思う。だからこそ、今のごいさんの周りにいてくれる人たちも、みんな大切なんだと分かっている。

 

写真は、父のお墓を綺麗にしている母と妹夫婦 

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