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ごいさんの退任式の挨拶(2013.4.9)

昨日の記事に関連して、2年前の退任式での話を同僚が撮ってくれたビデオから起こしてみた。緊張からうまく言葉が出てこなかったりして、今こうして読んでみるとずいぶんとひどいもんだと思う。それでも教員人生の締めくくりの挨拶なので、記録としてブログに残すことにした。大変長いので、適当にとばして読んでいただければ十分です。
以下全文。

 

えー、お早うございます。今日は初めて教えた時の教え子がお孫さんを連れて来てくれて、また09年度生もたくさんいてそして08年度生や今年卒業した子もいて、今、心臓の鼓動が非常に早くなり大変緊張していて、上手く話せないかなあと思うのですが、今日は少しだけ話す時間をください。

えー、唐突なんですけども、僕の高校の夢は宇宙飛行士になることでした。えー、高校生の時にアポロ11が月に着陸してアームストロング船長が月面を歩く、そのライブの映像をテレビで見ていて10年後20年後は宇宙に行けるんじゃないかと、その時は宇宙飛行士になろう。そう決めました。そして大学は物理学科に行く。それもただの物理学科ではなくやはり宇宙飛行士になるためにはそれなりの名のある大学に合格しなければいけない。それから毎日勉強して、物理学科に合格しました。

でも今こうして先生として退職を迎えています。そんな感じだから先生になった頃はあまり先生らしくありませんでした。先生という自覚も持てませんでした。ただなんとなく雑用はこなすけれどもなんか先生ってそんなに面白いのかなという気持ちが最初は有りました。

担任を持って3年目の時、クラスの事ではいろんなことがあったのですが、最後にとても大きな感動をもらいました。先生の仕事がこれほど素晴らしいということをその時初めて分かりました。だからこれからはこの子たちに先生として一生懸命やってあげようと考えたのですが、その子たちの面倒を見ることもできずに僕は他の学校へ転勤しました。

その子たちの面倒を見れなかった分、これから自分に関わるすべての子、クラスの子、部活の子、授業で教える子、その子たちを大切にしよう。そういう風に決意をしました。でもこの○○高校にも多くの先生がいてピアノは弾くは、ギターは弾く。運動も万能、パソコンの能力はピカイチ、いろんな知識を持っている。先生方はみんな優秀で僕はそのどれも持っていない。じゃあ何をもってクラスの子に幸せを与えられるだろう。一生懸命考えました。自分にできることは何だろう。その時27歳でした。

そして考えついたのは、誰よりもどんな先生よりも生徒のことを思う、生徒のことを考えよう。生徒のことを思う気持ちだけはどの先生にも負けない。その気持ちで今日までやって来ました。そう思うと、そう思っていろいろ接すると生徒もいろんな感動を与えてくれるようになりました。今日は遅刻をしないで学校に来たよ。ほー、なかなかいいね。先生、ゴミ捨てに行ってあげるよ。ほー、素晴らしい。今度の中間テストは頑張ったよ。そうだね。ほんとにちょっとしたことですがとても感動なんですね。その感動を一つ一つ受けるごとに僕も成長もしていき、本当に今こうして振り返ると素晴らしい先生としての人生でした。

ここに座っている皆さんも常に授業でたくさんの感動を僕には与えてくれました。僕を見ている真剣な目とかですね、ノートやテストを返すのにコメントを書いている時、みんなの顔が思い浮かびました。そのどれをとっても感動に結びついていました。本当にありがとうございます。最後の最後まで感動をいただきました。僕の先生としての人生はまったく悔いがありません。素晴らしい人生でした。

で、みなさんにお願いしたいんですね。その感動を今横に立っている先生、後ろに立っている先生、クラスの先生、担任の先生、授業の先生、部活の先生にこれからも与え続けていってください。先生というのは感動をもらうとまた頑張れるんですね。頑張ってくれたらまたみんなもきっと喜べます。ぜひそうすることでこの○○高校はもっと楽しく素晴らしい学校になると思います。えー、後ろに立っている09年度生、他の生徒たちもたくさんの思い出をありがとうございました。

最後にもう一つだけ。すみません。僕の同僚の話なんですが、この話が好きなのでちょっとだけさせてください。広い野原……をちょっと想像してくださいね。空は真っ青です。そこに幼い兄弟が2人います。そうすると空に虹がかかるんですね。その虹を見て弟が「お兄ちゃんあれを取ってきてよ」って頼むんです。お兄ちゃんが一生懸命「取ってきてやるよ」と言って虹に向かって走り出しました。どんどん走って行くんです。で、やがてとぼとぼ今度は帰ってくるんですね。歩いてね。半べそをかきながら。弟に言うんです。「ごめんね、とってこれなかった。虹をとってっこれなかったよ。」そうすると弟は、「う~ぅん、お兄ちゃんはあの素敵な素晴らしい虹の下を走り回っていてとってもかっこよかった」って言うんですね。

で、その虹のことをみんなの持っている夢だと置き換えてみてください。夢はつかむのはなかなか難しいです。でもその追いかけている姿は大変素晴らしく輝いてるんですね。僕は宇宙飛行士にはなりませんでした。でも宇宙飛行士になるためにものすごく勉強もしました。頑張りました。その頑張りがあったから今先生をやっていてもやってこれたと思います。みんなの夢が叶えばもちろん理想ですが、夢は叶わなくとも今頑張ればその頑張ったことは決して無駄にはなりません。ぜひ諦めないで簡単に諦めないで最後まで頑張ってください。

二つ言いました。一つはこれからもみんなを教えてくれる先生たちに感動を与えていってください。もう一つは夢に向かって全力で頑張ってみてください。自分の最後の言葉と受け取ってもらってよろしくお願いします。みんながこれからも幸せに生きていってくれることを心から祈っています。今日はちょっと長くなってしまいましたがありがとうございました。お世話になりました。

 

以上、9分30秒の挨拶でした。活字にしてみるとかなりひどいもんですが、これもいい思い出になりました。因みに09年度生、08年度生とはすでに卒業している生徒たちのことです。

長々とお読みいただきありがとうございました。

 

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