4月9日

4月9日は下の子の誕生日だった。29歳になる。今さら誕生日と騒ぐ年齢でもないのだが、……。

去年の記事にも書いたのだが、彼は小学4年生のお正月に「大腿骨頭すべり症」というあまり耳にしない珍しい病気を発症した。歩けないというのを無理やり歩かせて、中央林間の実家まで新年の挨拶に連れて行った。それがその病気を重症化させてしまった。思い出すたびに悔やまれる。

正月の4日に横浜市民病院に入院。「歩けなくなるかもしれない」と言われて、本当にショックだった。治療期間も長くなるということで「子供医療センター」に移された。1回目の手術で骨を固定するボルトがうまく止まらず、2回の手術を受ける。腰の周りをギブスで固めてまるっきり寝たきりの生活。そのままの状態でストレッチャーに乗せられ、病院内にある養護学校にも通った。動き回りたい時期に、首を動かすだけしかできない。食べるものも食べられずみるみるうちに痩せていく。本人は何も言わないのだが、見ているのが本当に辛かった。その後ようやく車いすに乗れるようになり、自分の足ではないがあちこちと動けるようになって、ようやく子供の顔にも笑顔が見られるようになった。それから足に少しずつ体重をかけて歩くリハビリも始まった。

そしてその年の暮れに1年に及ぶ入院生活を終えて退院となる。重症の方の右足は大腿骨を切ったので、左足より3cmほど短い。それでも自分の足で歩けるようになったことが、ごいさんにとっては何よりの救いだった。それまでやっていたミニバスケも運動もできなくなってしまったことは、もう取り返しはつかないのだけれど。

寝たきりの入院生活それに多くの夢も奪われて何かしら達観したのだろうか。病気のこともそうだけど、何にでもぐちをこぼしたことがない。それでごいさんも救われている。何事もなかったように平然と過ごしている。ごいさんが走りに行く時も、「すごいなあ」と言ってくれる。その言葉に甘えている自分が情けないなあと思う時もあるのだけど。

腰への負担は大きいから、またどういう障害が出てくるか分からない。毎年8月には横浜市大病院に定期的に検診に通っている。そうして今年も無事に誕生日を迎えた。

ごいさんにとってのこの日は、あの頃の自分の気持ちを思い出す大切な日になっている。

 

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