桜の季節と卒業式

東京マラソンのボランティアの疲れと学校の成績処理の忙しさで、ふと気がつけば3月もすでに5日になっている。う~ん、ブログの記事も書けなかった。

神奈川県の多くの高校ではこの2日あたりに卒業式があったようだ。一見別れの場とも思えるが、卒業していく子たちにとってそれは旅立ちの場である。だからごいさんも生徒との別れには寂しさを感じてこなかった。むしろ彼らのこれからの人生への旅立ちに声を大きくしてエールを送ってきた。大学生や社会人となっていよいよ大人の入口に立った彼らに、「頑張るんだぞ」ってね。

それでも卒業式は感慨深いものがある。人生のわずかに3年間だけなのだが彼らのそれまでの思いがそこに凝縮されているようだ。15歳から18歳にかけての身体的、精神的な成長は目を見張るくらいに著しいものがある。その3年間に関われるという喜びは最高のものなのだ。もちろんその責任も大きい。彼らの人生を左右することだってある。

そんな別れの季節は桜とともにやって来る。最近の暖かさで桜の木も全体的にピンク色がかってきた。開花も確実に近づいている。ところで染料の桜色ってどうして作られるか。実はあの花から作られるのではなく、桜の木の枝を煮出して作るのだという。初めてそれを知った時は何とも不思議な感じがした。桜の木の枝の中は花をつける直前までピンクなのだという。その枝を煮出して桜色の染料を作るのだ。淡いピンクでけっして目立つ色ではないのに我々を惹きつけてやまないのは、その見た目だけではなく中身までもが美しいからなのだろう。

ごいさんの最後に受け持ったクラスの子を送り出すときそんな話をした。見た目だけではなく心から美しい子になってほしい。そして心が美しければきっと誰からも愛されるはずだと。もちろん桜のように潔く散る必要はない。むしろ逆だ。最後の最後まで粘ってほしい。最後に残る一輪になるまで輝いていてほしいと。

3月は卒業シーズンだ。多くの子たちが次に向けて旅立つ時。不安もあるだろうけどそれ以上の大きな期待感でわくわくしているんじゃないかな。どうぞその気持ちを大事にして頑張っていってほしい。新しい場所でも素敵な仲間が君を待っているはずだから。

 

下の写真は大好きだった祖母のお墓から見える風景。下を京浜急行が通る。明日6日はその祖母の命日。もう33年が過ぎる。いつも可愛がってもらっていたのに何の孝行もできなかった。

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