第9回 呑兵衛達の旅 ~8月23日~

翌朝は2度寝をしたせいで起きた時にはすでに5時を過ぎていた。7時からの朝食のことを考えて一瞬ためらったが距離を短くしても走ることにした。日が上がってはいたがそれでも朝の松島海岸沿いを走るのは気持ちが良かった。誰もいない雄島と五大堂を見学しての1時間ほどのランニング。ホテル入口から玄関までの最後の坂道を上り終えたら汗でびっしょりになった。でも満足感一杯。大きなお風呂で汗を流して気分もすっきり爽やかになった。

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この日は松島湾の島巡りから始まった。8時30分に宿を出発して9時出航の遊覧船に乗る。50分の行程で1,500円也。いろんな説明も過去に何度か聞いているし、それに船からの眺めだとどうしても松島という実感がわいてこない。ほどよくエアコンの効いた船内で揺られていたら途中からうとうとした状態に陥ってしまった。

次は五大堂。さすがに早朝とは違い人出が多い。ここの土産物屋さんで笑う猫なるおもちゃが売られていた。お尻を触るとけたたましい声で笑いだすのだ。これが何回聞いても面白い。見ているこっちまでつられて笑ってしまう。心がいかにも健康になりそうだ。迷いに迷ったけど猫好きの母のために一つ購入することにした。いつも敬老の日のプレゼントで悩むけど今年はこれで何とかなるかしら。

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松島を後にして石巻日和山公園に向かう。高台にあるここからは震災の被害の様子が一望できる。石ノ森萬画館を指してI坂さんと喋っていたら一人の人が声をかけてきた。地元の方のようで、特に聞いたわけではなかったが慣れた感じでその時の様子を話し始めた。30分間ぐらいだっただろうか。地震が起きて津波が来るまでの時間になぜ逃げなかったのかという心理状況やこれからの復興計画など、実に興味深い話だった。振り返ってみるとこの話が今回の旅行で一番思い出深いものとなった。

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「南浜町……新興の住宅地として賑わっていたがすべて流されてしまった。この跡地は公園になる予定だという。」f:id:goisan:20170823120827j:plain

思わぬ話を聞いて少し遅れ気味になったけど、続いて「こもれびの森」という森林科学館を目指す。ここの所長さんが神奈川県の元教員というご縁で立ち寄ることになったらしい。その佇まいを見ていて昔生徒たちと行った野外教育活動が思い出された。クマがあちこちに出没するのだという。ごいさんには到底できない仕事だと思った。なんだかんだと1時間ほど案内をしてもらいながら話を聞くことができた。

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ということで今日の宿のある鳴子温泉に向かう。鳴子と言えばもちろんこけしで有名な場所だ。おっとホテルに直行かと思いきやその前に「尿前(しとまえ)の関」に寄るという。いかにもM橋さんらしい。彼はこういう知る人ぞ知るというところが好きなのだ。もっともだからこそ自分たちの勉強にもなるのだけどね。

芭蕉の『おくのほそ道』に登場する。義経や弁慶との関わりもあるという。」

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温泉はかなり強い硫黄のにおいが鼻を突いて、いかにも効能があるという感じ。夕食は豪華でお腹いっぱいになった。今日の仲居さんはベテランさん、こういう時のお爺ちゃんたちは実に静かなものだ。2日目の夜は例年通りにみんなのパワーが極端に落ちる。眠い飲めないの連発だ。それでも10時半消灯って、やっぱり早いよなあ。

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