長崎の友
翌日は福江島をぐるりと一周する予定でレンタカーを借りる。前日の雨中のマラソン大会とは違って良く晴れた絶好の観光日和となった。最初に向かったのは大瀬崎灯台。長崎出身の友だちや五島を訪れたことのある仲間が口をそろえて、「ここは絶対に行くべきだ」と言う。駐車場に車を止め、展望台に上がると東シナ海の海が目に飛び込んできた。その真っ青な海に突き出るようにして真っ白な灯台が立っている。
次に荒川温泉に寄って足湯に浸かってから高浜海水浴場に向かう。これが見たこともないくらいに美しい光景だ。写真の通りの見事なエメラルドグリーンの海。夏はバナナボートやマリンジェットも登場するというからさぞや賑わうことだろう。それから前日に走ったマラソンコースを辿りながら遣唐使ふるさと館に向かう。一番苦しい最後の10キロのところだ。前日だったはずなのにすでに懐かしく感じる。エイドでおばさんたちと話しをしながらかんころ餅を食べたのを思い出す。
最後に向かったのは堂崎教会。井持浦教会、貝津教会、水ノ浦教会と見てきて4つ目になる。後で友達に聞いて知ったのだが、五島列島には50の教会があるという。今回は4つしか見てないので大それたことは言えないのだが、教会の静寂の中に身を置いてみると、信徒ではない自分でもそれまでの歴史のことやそこに住む人たちの思いが伝わってくるような気がしたのだった。
こうして約6時間のドライブを終えて、16時30分の高速船に乗り福江島を後にする。長崎港に18時10分に到着。すぐにいちごさんご夫妻との待ち合わせ場所、長崎駅に向かう。前回の記事に書いたけれど、いちごさんご夫妻との最初の対面は本当に意外なものだった。トップのランナーが走り過ぎるのからずっと見ていたというから、それからごいさんが来るまでは30分ぐらいはあっただろう。雨の降る寒い中をずっと待っていてくれたのに、ろくに声をかけることもハイタッチすることもできなかった。
でもこのサプライズ、後でよく考えてみたら、いちごさんたちなら十分にあり得ることだと思った。ウサギマンさんのことがあったから、少し考えたならば予測できたのかもしれない。それでも高速船を使ってその日の朝にやってきてそして帰るという。例え思ったにしてもそうそうできるものではない。それをやってしまうところにお二人の気持ちが現れているように思えた。
この横断幕もお二人がどのような話をしながら作ったのだろうと考えただけで心が温かくなってくる。出来栄えからしてかなりの時間がかかったのではないか。それに道具を買いそろえる時間もあったはず。そこに自分はいなかったけどその時のお二人の心の中には確かにごいさんが存在していた。そう思うだけで何だか嬉しくなるのだ。
お二人とはマラソンの後に福江港の待合所で再会していて、その時はもう既知の友という感じで緊張感や違和感を抱くこともなく普通に会話ができた。そして長崎で再びの再会となった。いちごさんは仕事の帰りということで、この日はネクタイにスーツ姿がよく似合っていた。あっという間の3時間だったけど、たくさんの話が聞けてとても有意義だった。これでブログを読むのがまた楽しみとなりました。