神戸マラソンを走る(後)

9時ちょうどに号砲が鳴る。半年ぶりのフルマラソンだ。気楽に構えていた自分にも弥が上にも緊張感が走る。何度走っても42.195キロは長い道のりだ。そして走り出してみないとその日の調子が分からないという不安感。ただ今回ばかりは怪我をしていて無理はしない方針と決めているからいつもほどには緊張しない。いつもならスタート直後から混雑の中を縫うように走っていくのだがそれも抑えて全体の流れに身を任せていく感じだ。

最初の1キロは5分49秒で入る。次の1キロは下り坂の勢いもあって5分19秒とペースが上がる。5キロを過ぎて鉄人28号を見ながら長田地区を走る。たくさんの人が応援してくれている。時折「ごいさん、頑張れ」という声も聞こえてくる。「いいねぇ」と思いながら、大きく手を振って応える自分。こうして最初の10キロを53分33秒で通過。概ね予定通りだ。f:id:goisan:20181117105935j:plain

19キロ地点で折り返して明石大橋付近まで戻った辺りが20キロ地点になる。道路でコース誘導をしてくれているボランティアの人たちにありがとうと連呼しながら自分を叱咤激励して走る。この頃は太陽の日差しが強くなり、かなりの暑さを感じるようになる。なるべく日陰を選んで走るようにするのだがそうとばかりも言ってられない。19キロの折り返し地点までが思った以上に遠くに感じる。

大勢の応援に助けられながらやっとこさで20キロ地点を通過。ここまでの10キロは52分10秒。そして中間点は1時間51分33秒。さて今日の目標の30キロ地点まではあと9キロ。25キロ地点を過ぎるとペースはキロ5分20秒台に落ちる。この辺りでひどい空腹感に襲われる。多少時間を使ったが、きんつば、どら焼き、カステラそれにバナナと珍しいくらいにたくさん食べた。

これで気持ちの上でだいぶ落ち着きを取り戻す。この区間は微妙なアップダウンが繰り返しあって、それが少しずつ足に効いてきているようだ。それでも幸いに痛みも違和感もない。どうにかこの10キロを54分00秒で通過。これで30キロまでは頑張るという目標を一応達成して、顔がほころぶ。同時に、ゴールまで行けるという確信を持つ。

37キロを過ぎたところで何度かビデオで見た自動車専用道路に入るあのゲキ坂地点に到着。ここは最初から覚悟の上、ごいさんは休むことなく一気にかけ上がる。これで残りは4キロとなって、気持ちがだいぶ楽になった。もちろんペースは上がらないが、それでもまだまだ楽しい気分で走れている感じだ。ボランティアの子たちの声援も嬉しい。

40キロまでの10キロを56分01秒で通過して、ラスト2キロとなる。ゼッケンに書いてあるごいさんの名前を呼んでくれる人が増えてくる。そして最後のコーナーを回っての直線、みんなに後押しをしてもらってフィニッシュ。タイムは3時間47分46秒。今の自分には十分なタイムだ。さらに嬉しいのはエイド以外では一度も立ち止まらなかったこと。

神戸マラソン、楽しかった。コースも面白かったと思う。ボランティアの皆さんの爽やかな感じは印象的だったし、応援の皆さんの声もありがたかった。こんな素晴らしい大会を走れたことに感謝です。ありがとうございました。

 

f:id:goisan:20181118130640j:plain