S田さんと伊豆を走る

土曜日、日曜日とラン仲間のS田さんと二人で伊豆に住むI坂さんのところに出かけてきた。名目はラン合宿。とは言え、自分は膝のこともあってあまり走るつもりはなく、お目当ては夜の飲み会だった。S田さんの方は走る気は強かったようだから、思ったほどに走らなくて残念な思いをしたかもしれない。

小田原駅でS田さんと合流し、三島駅駿豆線に乗り換えて田京駅で下車。タクシー代を浮かして酒代を増やそうという魂胆から、日中の暑い中を歩くことになった。I坂邸まではずっと上り坂で、シャツはすぐに汗でびしょびしょ。3時少し前に到着。すぐに着替えてランニングへと出発する。お目当てのお風呂が5時過ぎから団体客で貸し切りになるというので、4時半までにそこに到着するのが目標だ。距離は約10キロ。

修善寺までの約7.5キロは、キロ6分少々のペースでのんびりと走る。修善寺駅で少し休んで残りは2キロと少し。遠くにゴール目標の水晶山が見えてペースを上げる。午前中にテニスをやってきたので、最後はけっこうへばり気味。S田さんにすぐ後ろで煽られながらやっとこさフィニッシュ。予定の10分ほど前に到着した。汗を落としてゆっくり温泉に浸かる。何とも言えない充実感。

S田さんと一緒にこうして走るのも久しぶりだ。3月の三浦マラソン以来となる。ごいさんが走り出すきっかけとなった人物だ。3歳年下の彼はまだバリバリ働いているから、それほど練習量はこなせないようで、タイムも停滞気味。ただごいさんよりもはるかにマラソンを楽しんでいるのは事実。それが羨ましい。

自分も初めはそうだったのだけど記録が伸び始めると同時にタイムばかりを気にするようになった。自分を苦しめなければタイムは縮まらない。それでもまだ記録が伸びていた時は楽しかったのだけどサブ3.5という一応の目標を達成したら、何とも中途半端な気持ちに陥った。

今はまだ膝の不調もあって、今年の大会をどう走ろうかとあれこれ考えている。場合によっては完走も難しいかもしれない。年のせいにはしたくないけれどずいぶんと弱気になった。70歳でサブ4が当面の目標で、少し前までは楽勝と思えていたのが、今は実現できるかしらと不安だらけ。でもこんな自分でも応援してくれている人がいる。その人たちの期待に応えたい。

正直今までのような走りはできないかもしれないけれど、でも自分らしく走りたい。「何のために走るの?」「そりゃあ決まってるじゃない、楽しいからだよ」…って、今年はそんな言葉を言えるようになれたらいいな。もちろん目標は諦めないよ。

友と語らいながら飲む酒は美味しい。何を話したか半分くらいは忘れてしまう。だから毎回同じ話が繰り返せる。そしてこの日も…。日が代わってようやく床に就いた。

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ごいさん、富士山に登る(後)

頂上に着いたのはちょうど4時くらい。ネムネムさんに案内されてご来光がよく見えるという場所を確保。どっかと腰を降ろして遠くに目をやる。いつもは下から見上げているだけでてっぺんのことなどまるで考えたこともないのに、今は自分が実際にここにいて地上を見下ろしている。まるで自分自身が富士山そのものにでもなったかのような不思議な感情だ。この何とも言えない満足した気持ちはずっと覚えておきたい、そう思った。

空が少しずつ赤みを帯びてくる。大勢の人の目が一方向に集中して今や遅しとその時を待っている。そうして待つこと40分余り。いよいよ太陽がその姿を現した。遠く水平線の上に出るものばかりと思っていたらその下にある雲の中からポッカリ湧き上がってきた。こういう日の出は初めてだ。密かに感動。しっかりと目に焼き付け、そしてカメラに収めた。

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それから火口を一周するというお鉢巡りをして、最高峰の剣ケ峰にも行ってきた。そして帰り道となるが、その頃には足もだいぶ回復して、どうにかみんなに迷惑をかけずに下山できた。ネムネムさんを始めみんなが心配そうに見守ってくれたその気持ち、本当にありがたかった。スタート地点の富士スバルライン五合目まで戻ってきて振り返って見上げた富士山はまたひときわ大きく見えた。あのてっぺんに行ってきたんだなあ。

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今回の登山では、苦しんでいた登りではほとんど話すことができなかったけど、下りではたくさんのことを喋れた。よねランさん、きらさんとは初めて顔を合わせたけれど、二人とも柔らかい笑顔が印象的だった。この歳になってこういう出会いがあってこういう経験ができるなんて夢のよう。やはり人との出会いは大切だということを確信した。これからも生きている限りは人との出会いを求め続けたい。それは未知の自分の発見にも繋がるのではないかと思うから。

自分はじきに走れなくなるだろうけれど、こうして出会ったラン仲間が走ることを続けてくれれば、その応援に出かけることもできる。応援だけならずっとできる。それも自分のこれからの人生の大きな楽しみの一つとなった。こんな年寄りがこうして若い人たちと出会えたことを今本当に幸せだと思っている。

家のベランダからは富士山がよく見える。あのてっぺんにいたのかと思うと不思議だ。今までとは少し変わった感じ、親しみが湧いたという感じかしら。自分の娘のような、その美しい姿をますます誇れるような気分だ。さて、できれば伊豆の住人を連れてもう一度登ってみたいなんて思っている。それは今回参加した理由の一つでもあるからだ。もっともその前に彼を鍛えなければいけない。富士山、そんなに甘くはないよ。I坂さん、覚悟しておきな…ね。

 

ごいさん、富士山に登る(前)

8月3日の土曜日の夜から翌日の朝方にかけて、はてブロランナー・ネムネムさん主催の富士登山に参加した。他に参加者はMacさん、naoさん、てつさん、キラさん、よねランさんと、全員がはてブロランナーの強者たち。この一か月まともに走っていない自分がそんな仲間に加わるのはとてもおこがましい。途中から富士登山競争にでもなったらどうしようかなどと不安だらけ。

それでもこの機会を逸したら二度と富士山に登ることはないだろうと意を決しての参加と相成った。山登りそのものが嫌いでましてや富士山に登ってみたいなどと一度も考えたことはなかったのだが、先日の湘南での練習会の時にネムネムさんとたくさん話をしたことで気持ちが俄然前向きになった。

…けど、やっぱり不安はいっぱい。大学の頃にやはり友に誘われて近くの山を何度か歩いたことはあるけれど、その後何十年も山からは遠ざかっている。どんな格好でどんな道具を用意すればいいのか、富士登山のことを調べれば調べるほどに不安が募ってくる。ただ一度決めたことは簡単には諦めないという感情だけが自分を引っ張っていく。

まだ先、まだ先、用意は1週間前になってからで十分。そんなふうに思っていたらあっという間に当日の土曜日がやってきた。昼頃からリュックに荷物を詰め込み始めるが、なかなか上手く入らない。そして万端、背負ってみたらその重いこと。これを背負って頂上まで登るなんて考えられない。再び弱気の心が目を覚ますがもう後戻りはできない。息子の「頑張ってきなよ」という声にわずかに励まされる。

今回のスタート地点は富士スバルライン五合目。登頂開始は予定通りの午後10時。Macさんはだいぶ高山病のことを気にしていたけれど自分も同じ思いだった。下の方には山中湖辺りの灯りが見える。夜景というほどに華やかではないが柔らかい温かいものを感じる。この後の厳しい行軍をまったく予想させない平和な一時だった。

7合目8合目と次第に険しくなり階段というよりも岩肌をよじ登るという感覚だ。ところどころにツアーらしき団体が列をなし渋滞を作っている。このままではご来光に間に合わないということで多少の険しさを乗り越えて彼らの横をすり抜けていく。この辺での無理と購入したばかりのシューズのせいか、このあと左足に強い痙攣を覚えて動けなくなってしまった。

かなりの痛みもあって、もはやご来光を拝むのは無理とあきらめかけていたところに、ネムネムさんが現れた。ごいさんを心配して戻ってきたのだという。重い荷物をネムネムさんに預けて次第に足も回復してきた。代わりに2つのリュックを持つことになったネムネムさんだが、それでも軽々と岩肌を駆け上っていく様はさすがに100マイルランナー。

こうして彼にサポートしてもらうこと1時間ほど、ようやく頂上が見えてきた。「あの鳥居をくぐればもうすぐフィニッシュ」という彼の声に導かれてようやくゴールイン。みんなにはずいぶんと遅れてしまったけれど、登頂を果たした気持ちはみんなと同じように嬉しかった。

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みんなで楽しく湘南ラン

先週の土曜日に、はてブロランナー繋がりで、Macさん、バンビさん、naoさん、ネムネムさん、青豆さんと一緒に、湘南海岸を走ってきた。Macさんから連絡をもらった時は、膝のことがあって一応悩んだけれど、Macさんやバンビさんとこんなふうにご一緒できる機会もそうそうはないだろうということで混ぜていただくことにした。後から、naoさんやネムネムさん、青豆さんたちも参戦すると聞いてかなりの緊張が走る。

小田急鵠沼海岸駅から歩いて10分ほどで湘南海岸公園にあるランステーションに到着。着替えて出た所でちょうど雨が落ちてきた。それでも適度な降りで走るにはちょうどいいくらい。そしてバンビさんを先頭にのんびりとスタート。その後きっちりキロ6分のペースを刻んでいく。もちろんみんなは楽しくおしゃべりをしながらの余裕のランニングだ。それを聞いているのがまた楽しい。

相模川の河口の柳島で折り返す。晴れていれば富士山の絶景が見える所だ。ここまで約9キロ。帰りは途中の「茅ケ崎サザンC」のモニュメントで記念撮影。みんなでCのポーズを決め、輪っかも完成させて、強い絆で結ばれたかしら。これであと6キロ余り。ここで余裕のなくなったごいさんは少し遅れたけど、膝の痛みもなくどうにか無事にフィニッシュ。

【晴れていたらこんな景色なんだけど】f:id:goisan:20170202130409j:plain

その後Macさんが予約してくれていたお洒落なお店で食事会兼飲み会。ここからはジャスミンさんという方が加わる。彼女とは初めてのご対面。前日に少しばかりブログを読んで予習してきたけど、果たしてそのイメージ通り。ジャスミンさんもMacさんと青豆さん以外は初対面だったらしいが、すぐに打ち解けて楽しそう。その後、Macさんに連れられて江の島植物園にある「ロンカフェ」というお店のフレンチトーストをいただく。そして最後に藤沢で仕上げの一杯。う~ん、今日はよく飲んだ。

Macさんとバンビさんの父娘コンビのやり取りはいつ見ていても微笑ましい。Macさんの軽妙な語り口、バンビさんの鋭い突っ込み、いいなあ。今回はネムネムさんともだいぶお話ができたのも収穫だ。違う世界に生きている人の話を聞くのは本当に興味深い。naoさんはいつものように爽やか好青年。ご近所ということもあってとても親近感を感じている。まるで教え子みたい…かな。青豆さんは, ロードレースの時もそうだったけど、マラソンへの情熱と強さを感じる。今日一緒に走ることが出来たのは光栄です。ジャスミンさんは、社交的でとても楽しい人。仕事に燃えていて、そしてフルマラソンデビューも近いかな。

今日一日ずっとみんなと一緒にいて、みんなが本当に走るのが好きだということがよく分かった。自分はブログにも書いているけれど、走るのが未だに好きになれないでいる。では、なんで走っているの? でも走っていたから彼らと出会うことができた。そしてそれが楽しくて、そんな彼らにまた会いたいから。そんな思いからだろうか。これからもまだいろんな人に会えるかもしれないなんてことを考えるともう少しだけ頑張っていたい…と思う。

【ごいさんにはちょっと上品すぎた…かしら】f:id:goisan:20190629155022j:plain

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父の日に考える

父の日に上の子から宅配便が届いた。父の日の贈り物だった。最近は父親としてあまり役に立つこともしていないから申し訳ない気もする。ここのところ誕生日にはお酒、父の日には食べ物といった具合で、今回は高級お茶漬けセット。実に上品な感じで美味しそうだ。早速に味わって報告しなければと思う。

それを機に、しばらく忘れていた父のことを思い出す。ずっと好きになれなかった父親で、まともに口を利くこともなかった。働き出して最初のボーナスの時にあげた1万円が父への生まれて初めてのプレゼントだった。父の日のプレゼントというつもりはなかったけど、時期的にはちょうど父の日の頃だった。そしてその一週間後に父は倒れ3日後の24日に亡くなった。財布にはその時の1万円札が折りたたまれてしまってあった。もし父が生きていてもずっと使わないでいたのではないか。そんな気がする。

子供の時の自分は父親の感情なんて分からなかった。分かろうとも思わなかった。その頃の父のイメージは酒を飲んではいつもグダをまく。いつも怖い存在だった。でも自分や妹にとって父はやっぱり父だったのだと今は思う。自分が父になりようやく気づく。もう少しだけでも生きていてくれたらと何度思っただろう。

子供は可愛い存在だ。子供からプレゼントをもらった時は、その嬉しい気持ちをずっと引きずっていたくて、早々に手をつけられない。食べ物なら賞味期限ぎりぎりまでだね。自分が父に何もしなかったせいか、子供から何かをもらうなんていう考えはあまりない。でも、もらってみるとこれが本当に嬉しい。そんな思いを、僕は父に経験させることはなかった。

父がそうであったように自分も子どもと話しをするのは苦手だ。もちろん二人とも男の子ということで、彼らから話しかけてくることもない。でも時々話が合うと1時間でも2時間でも話が続く。夜中の2時になっても3時を過ぎても平気だ。さすがに眠くなるけど、子供と話せる嬉しさからもう寝ようとも言い出せない。

自分は父親のことを嫌っていた。自分は父親のようにはなりたくないと思っていた。そうして、少なくともそうであろうと努力してきた…と思う。子供たちには不自由をさせないように育ててきた。でもそれでも子供たちにとっていい父親になれたとも思えないでいる。自分の父は案外子供から好かれるタイプだったけど、その辺が自分には足りなさそうだ。でもまだ自分にはいい父親になるための時間は残されている。今からでもまだ遅くはない。

いつか二人の息子と定期的に酒が飲める、そんな関係を夢見ている。そして、今はただ自分が元気に少しでも長く生きていること、それがプレゼントへのお返しだと思っている。

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関東マスターズロード選手権 DNS

申し込んだ時はそこそこの気合いもあったのだけど。大会の日が近づいてきてどうしようか迷っていた時に、ブロ友&ラン友のMacさんから多摩湖月例マラソンとその後のアフターのお誘いがあって、ジョッギング程度でもいいから走ろうかという気になった。しかし前日に膝から少しばかり水を抜かれて、無理はできないと断念。同じ大会の10キロに出るブロ友さんの青豆さんの応援に専念することにした。

その彼女がなんと2位入賞。応援した甲斐がありました。その後に立川駅前のお店で、Macさん、バンビさん、よーじさんと合流。よーじさんとは初顔合わせだったけどMacさんや他のランナーさんの記事でもよく見かける名前だったので親近感を覚える。時間はあっという間に過ぎてお開きの時間に。ただただ皆さんのやる気に圧倒されっぱなし。テンションが落ち込んでいた自分ももう少し頑張ってみようかなんていう気持ちに。

6月8日に梅雨入りしてから暑いのか寒いのか分からないような日が続いている。そんな天気と同じように、自分の気持ちも曇り気味。今週の月曜日にまたまた膝から水を抜いてもらう。お医者さんが「まだ腫れていますね」と言う。富士裾野マラソン以来この一か月はまともに走っていない。いつもなら走ることでこんな気持ちのもやもや気分を吹き飛ばすんだけどそれもできない。

そんな気持ちを紛らわせようと、5月下旬には友人の健さんと、6月に入って伊豆に住む同じく友人のI坂さんと飲んだ。二人ともこんな自分にいつもつき合ってくれる本当にいい友です。そしていつものように会話してだいぶ気持ちが明るくなる。お医者さんからは走ってはダメとも宣言されていないので、ゆるいジョグでもしてみようかなんてちょっぴりやる気になった。

テニスをやっては仲間と会話を楽しむ。酒を飲んでは愚痴れる仲間もいる。一緒に走ってくれる友もいる。家でも自由気ままに過ごしているし、本当なら十分満足すべきなのだろうけれど、なんかもう一つ足りない気がしている。でも、それがなんだかよく分からない。まるで梅雨の中にでもいるような気分。

梅雨入りして雨模様の日が続いているけど、自分は雨の日が好きだ。いや本当は外で遊ぶ方が好きだと思う。でも雨で外で遊べない時に、窓から雨が降っている様を静かにしてじっと眺めているのが好きだった。雨音がいろいろと変化するのも聞いていて楽しい。そうしてやがてお日様が顔を出す。その瞬間の輝きが好きだった。

今の自分は少し雨模様、だから、そんな自分にもいつかそういう輝く瞬間が来るのかな…なんて信じている。

I坂さんと行った雲見の露天風呂。無料でした。f:id:goisan:20190608133403j:plain

 

友と語る時

だいぶ前になってしまったけど、5月12日の日曜日に富士裾野高原マラソンを走ってきた。調子の良くないこともあってDNSも考えたが、ぎふ清流マラソンを走れなかったことやこれでしばらくは大会もないということで、練習のつもりの軽い気持ちで参加することにした。ところがどっこいとてもとてもそんな甘いコースではなかった。

なんとスタートから5キロまでひたすら続く上り坂。わずかに3キロ行ったところで早くも足が止まる。どうにか上りきった後は下り基調になるのだが、もう走る気力がない。最後の5キロほど続く下り坂で少しばかり意地を出してみたが、結局タイムは2時間を超え、これからどうすべきかという大きな課題を抱えることとなった。

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この後、三島駅で伊豆に住むI坂さんと会う。2日前の急な申し出を快く受けてくれた。彼とは20年ほどのつき合いになる。共通点はサッカーと酒が好きなことぐらいで、趣味もやることもだいぶ違う。なのに彼とは本当によく呑んだ。そしていつも癒されてきた。この日も、彼の顔を見た瞬間にレースのモヤモヤ感はすべて消え失せた。

今の彼は、これといった欲も持たず、平凡に見える毎日を十分に楽しんで生きている。知らない人が彼を見ればただ好き勝手に生きているぐらいにしか思わないだろう。でも自分の目には彼が仙人のように見えるのだ。もちろん彼にだっていくつもの悩みもあるだろうけれど、そんなの一切感じさせない。そんな彼の話を聞くのもまた楽しい。自分にはきっとできない、そんな思いがあるからだろうか。

職場や仲間の前ではいつも楽しい強気のごいさんだった。でも実のところはそれほど強くない。だから時にはそんな自分の気持ちをさらけ出したいと思う。アドバイスは要らない。ただただ聞いてもらうだけ。今さら弱い自分を見せたくないから話し相手は必然的に限られる。そしてその一人が今回のI坂さん。

前向きに生きているというのか、生きている以上はいつも何かを考えてやろうとしている。そんな彼の進行形の話を聞くのがとても楽しい、それに刺激的だ。そういう人の話なら何時間でも聞いていていられる。聞いているうちに自分もまた頑張れるような気持ちになってくる。

自分には自分にしかできない人生を歩みたい。その考え方は変わらない。でもまだまだ迷ってばかりいる。いやもしかしたら迷ったままでこの人生を終えるのかとも思う。読者の皆さんからはけっこう好きなようにやってるじゃないと思われるかもしれないけど、でも自分の目標地点は遠くにあって、今はただがむしゃらにもがいている感じしかしない。

この日もああだこうだと話しつつ2人で焼酎ボトル1本を空け、近いうちの再会を約束して別れた。次に彼に会う時は少しでも進化している自分を見せたいと思う。友がいるから自分は頑張れる。そんな友が、この歳になってもまだ増えつつある。不思議だと思う。

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