なでしこ、おめでとう!
昨夜行われた女子アジアカップ決勝戦で、なでしこはオーストラリアを1対0で破り見事に初優勝を果たした。予選リーグの初戦で一度対戦し2点を先行されどうにか追いついて引き分けとした相手である。その後いくつかの試合を経てその時よりも動きは数段良くなっていた。それはオーストラリアにも言える。立ち上がりはオーストラリアの攻勢が続く。デバナ選手を中心に、積極的に前で仕掛けてくる。速攻は特に脅威だ。なでしこも懸命のディフェンスで凌ぐ。そして前半28分、日本に待望のゴールが生まれる。宮間のコーナーキックを受けた宇津木がクロスボールを入れる。逆のゴールポスト際で待っていた岩清水がヘッドで合わせると相手の体に当たりそのままゴールイン。それまではどちらかというとオーストラリアのペースだったから正に起死回生のゴールだった。後半に入ってもオーストラリアの攻勢は続く。オフサイドでノーゴールになったのも含めて何度か決定的な場面があった。いつ追いつかれてもおかしくない状況だった。それがそのまま決まらないのもサッカーというスポーツではよくあること。少ないチャンスでもうまくものにできれば勝つことができる。
今回は、大野や近賀といった海外組をほとんど呼べなかったわけだから、その中での優勝はとても価値があると思う。澤の存在も大きく、川澄の献身的な動きにもだいぶ助けられていた。しかし、今回はなんといってもキャプテン宮間の頑張りが際立っていたように思う。最初のオーストラリア戦から決勝のオーストラリア戦へとチームはまとまりを見せ確かに成長していった。宮間の勝負にかける思いが浸透していった結果だろう。これを機に若い選手がどんどん伸びてくれば、来年のワールドカップも大いに期待できる。特に、フォワードの菅澤、ボランチの中島あたりは注目株だね。菅澤には鋭いシュート力がある。中島はその運動量とパスのセンスを期待する。
とは言え、来年のカナダでのワールドカップで勝ち上がるのはかなり大変だ。今回のアジアカップを見ていても、チーム力にそれほどの差があるとは思えない。それにオーストラリアも中国も若い選手が中心でこれからも大いに強くなっていくのが予想される。海外組が加わったとしてもそう簡単には勝てない。ただ、女子の場合は技術だけではなく気力というのが勝利への重要なファクターになるように思う。なでしこの精神を忘れなければ、必ず連覇のチャンスはやってくると、ごいさんは信じている。
写真は、横浜のダイエーに向かう通り(話の内容とは関係ないけど)