同窓会の写真を見ながら想うこと
3日前、S高校の時の教え子からメールが届いた。去年の10月に行われた同窓会の写真がアップされているからご覧下さいと言う。珍しく忙しくてつい見るのを忘れていた。昨日になって思い出し、そのサイトにアクセスすると、1,000枚近い写真がアップされていた。この会に出席できなかったごいさんにとって、それはとても興味深いものだった。
その子たちを受け持ったのはごいさんが27歳から30歳という一番元気だった頃で、兄貴のような気持ちだった。卒業して32年ぶりの同窓会は、彼らが50歳になる節目の年である。各クラス16~17人ほど来ていたようだから参加者の総数は200人弱ということになる。女の子はみんな美しくてあまり年齢を感じさせないが、男の子の方はだいぶ様変わりしているよう。恰幅も良くなって立派に見える。社会人として頑張ってきたという風体だ。年を重ねて柔和な顔立ちになっていて、高校時代とはだいぶ違う。32年という期間はやはり長いのだと改めて思う。
写真の顔の表情からはあまり苦悩というものは感じられない。でも彼らそれぞれにさまざまな人生があったのだろうことは容易に察せられる。生きている以上は平坦な道は無い。でもそれらを乗り越えて今日まで生きてきた。そんなたくましい人間に育っていてくれたのがとても嬉しい。そうしてこうして集まれたことはなんとも幸せなことだと思う。
1,000枚の写真には多くの語らいの場が写っている。みんな晴れやかな顔だ。何を話しているのだろなんて考える。仕事の話それとも子育て。お孫さんはまだ早いか。でもやっぱり高校時代の思い出かな。そう、高校時代は社会の厳しさなんてこれっぽっちも考えていなくて、学校で勉強と部活に励んで後は遊んでいればよかった。人生の中でもっとも楽しかった時代だったと思う。どの写真を見ても笑顔が溢れている。仲間外れになってる子はいなそうだね。引っ込み思案だった子もちゃんと仲間と一緒に写真に納まっている。やっぱりみんな素敵に成長しているね。
その一方で、ここにいない子のことをつい考えてしまう。どうしていないの。今は幸せではないのかな。高校生活が不満だったのだろうかなどなど。ついついそちらの方へ思いやってしまうのは、ごいさんの悪い癖なのかな。
また何年か後に集まるという。これからも続けていけたら本当に素晴らしいことだね。これだけの子たちが出会ったのは本当に偶然だし奇跡的ですらある。その出会い、高校時代の思い出をずっと共有していってほしい。そしてそこにごいさんたち先生がいたこともね。
でもごいさんは大勢集まる同窓会って苦手なんだ。主役はあくまでみんな。それにいつまでも先生面するのは好きじゃない。いない子のことも気になっちゃうし。もしごいさんに会ってもいいよと思ったら少人数で呼んでくれないかなあ……な~んて、虫が良すぎるか。
ごいさんは、みんなと過ごした時の事、時々思い出している。忘れないよ。