新年度、最初の授業を迎えて

この記事は先週に書いたのだが、キンキンの訃報の記事が入って、棚上げにしておいたものだ。没にしようかとも考えたが、せっかくなので一部を書き換えてアップすることにした。

先週の14日(水曜日)から、新年度の授業が始まった。今年のごいさんは非常勤講師ということで、水曜日と金曜日に出勤している。6日の始業式から初めての授業までだいぶ間が空いてしまったが、別に手抜きをしていたわけではない。その後に入学式やテストなどの年度当初の諸行事があって授業が潰れてしまったのだ。もちろん授業が無くなってもその時間は勤務しなければいけないから学校には出勤する。授業は無くても予習などの準備があって決して暇というわけでもない。

さて、待ちに待った今年度最初の授業。お相手はピカピカの高校1年生。教える科目は数学Ⅰ。この学校はもともと工業高校だったということもあって、女の子の比率はおよそ三分の一だ。授業は24名ほどの小集団。席を確認しながら、いつものように出席を取る。最初のアイコンタクトだ。ここで彼らにごいさんの第一印象が伝わる。

数学の先生なんていうとなかなか好きになってもらえない。でも好きになってもらえた方が授業もやりやすいし、その子も頑張れる。メリットは大きい。今の子には厳しさ、理知的で険しい顔よりも、まずはスマイルだ。もちろんお笑い芸人までになる必要は無いけれど。

最初の授業は生徒もかなりの緊張をしているが、それは教える方もそうなんだ。肩をほぐさせようとしてもそう簡単にほぐれるものでもない。笑いを取るつもりが逆にますます固まってしまうこともよくある。

宿題を回収して、A6サイズの紙に簡単な自己紹介文を書いてもらう。自分のアピールや進路について書かせる。それを読むことで生徒の特長も見えてきて、一人ひとりが身近に思えてくるのだ。1年経って最後の授業の時にコメントを書いて返却する。入学した時の気持ちが1年でどのように変化したのか、後で読み返すとこれが案外面白い。

この学校の授業時間は1コマ90分。ここまででやってもまだ60分を残している。いよいよ教科書を開かせて最初の単元「整式」に入る。静まり返った教室。ごいさんに集まる鋭い視線。この緊張感に思わず声も上ずってしまう。もうちょっと柔らかいのがいいな。ごいさんはみんなと会話を楽しみながら授業をやりたいんだけど。とは言え、最初から笑っていたらやっぱり変だろうな。何とか90分が過ぎて終わりのチャイムが鳴る。ゴングに救われた気分だ。危なくダウンするところだった……なんて冗談だけど、この年になっても最初の授業しかもピカピカの1年生相手の授業は相当なダメージなのだ。

でも久しぶりの授業を終えてだいぶ勘も戻ってきた。金曜日には今のクラスの他に数学Aのクラスの授業もある。これも初めてだからもう少し緊張が続くけど、たぶんいつものごいさんに戻れるだろう。

ここでみんなと知り合えたのも何かのご縁。この1年間、頑張っていきましょうね。

 

写真は、朝の登校風景。

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