いずぃなりの里 ~ 友と友 ~

最初に目を覚ましたのはS田さんだった。遅れて1階に降りていくとちょうどS田さんが出かけようとしている。昨日話に出たランニングコースをちょっと見てくると言う。30分ぐらいして戻ってきて、「けっこうきつい坂が続いている」なんて言うからてっきり走らないものと思ったら、S田さんは走る気満々だった。自主性の乏しいごいさんはそれに従うのみ。

まだ寝ていたI坂さんを起こして朝食を摂る。コンロに網を乗せて焼いたトーストにマーマレードをのせ、それに牛乳とコーヒーだ。I坂さんがバイクで先導してくれるという。暑い中、ありがとうございます。最初の4キロは300mの高さを一気に上っていく。これでもかこれでもかと急坂が続く。さすがに心が折れる。どうにか上り切って尾根に出たところでS田さんを待っていると3~4分遅れでやってきた。今日の彼はなかなか頑張っている。尾根伝いに2キロほど進むと今度は一気に下り坂となる。箱根の山を下っているような急坂だ。キロ4分30秒を切る勢いで、その速さに足の動きがついていかない。それが延々と5キロも続く。これだけ長いとさすがに下り坂でも嫌になってくる。

そうして下り終わった所が韮山の反射炉だ。今日のランニングの目的地である。先日の世界遺産で話題になったから、観光客がたくさん来ていた。我々も反射炉を背景に記念撮影。水分を補給してちょっとだけ休んでランニング再開。残りは3キロ。最後のきつい坂もどうにか上り終えて無事に帰着。シャワーを借りて身も心もすっきり爽やか。田京駅近くの中華料理屋さんでランチを食べ、I坂さんと別れて帰途に着く。

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ここで走るというのは来る前からS田さんの頭の中にあったようだけど本当に走るとは思わなかった。おかげで厳しい練習ができた。でも、一人だったら絶対にやってないな。

I坂さんもS田さんもごいさんにとってはかけがえのない友だ。2人の共通点はごいさんの友人というだけで、それ以外はほとんど知らない関係だ。そんな2人が友だち関係になってくれる。これはとても素晴らしいことだ。こうやって友と友が結びついていくとそこに一つの輪ができる。友人の友人はまた友人。本当にそうなんだ。こうやって違う関係の友人同士が繋がっていくのは何と素敵なことなんだろうと思う。

人は一人では決して生きてはいけないものだと思っている。必ず誰かに見てもらったり支えてもらったりしている。だから一人でも強く生きていけるのだ。くじけそうになってももう少しだけでも頑張ることができるのだ。自分一人だけで頑張っているつもりでも、そこには必ず心の支えになっている人がいるのだと思う。それは家族であったり親友であったり、時にはただの通りすがりの人かもしれない。どんな人も決して一人ではない。

ごいさんも傍にいてあげるだけでその人が元気を出してくれたり頑張れたりするそんな存在になりたいとずっと思っている。その人がごいさんの存在に気づかなくてもいいのだ。いやむしろその方がいい。気づかないうちにその人の支えになっている。いいなあ……。

 

大きな富士山でしょう。上の写真は、韮山の反射炉です。f:id:goisan:20150531073404j:plain