頑張れ、先生の卵たち

今勤務している学校では教育実習が6月22日から行われていて、7名の実習生が来ている。この子たちはごいさんたちの学年が3年前に卒業させた教え子たちだ。男の子も女の子もスーツ姿が実に良く似合っている。言葉遣いやその態度もしっかりしていて、その成長ぶりに思わず顔がほころぶ。

みんな先生になる気は十分だ。来る7月12日には神奈川県の教員採用試験が行われる。全員合格できたらいいのだけど倍率はかなり高くてそうもいかないのかな。最近では、現役で採用されるというのはかなり難しいことだとも聞いている。

採用試験で落ちた子が臨任教員(臨時的任用職員)という形で働きながら、翌年に再挑戦するという子もかなりいるようだ。働いて給料をもらうのだから、仕事は正規の教員と同等にある。若いから運動部の顧問もあって、土日の出勤も当たり前。そうやって疲れた体で家に帰ってから勉強する。本当に大変なことだと思う。ただこうやって先生の仕事を学んでおくことはとても有効なことだ。実際に採用されれば即戦力だし、採用試験でもこの経験は十分な強みになる。こんな具合に2~3年臨任を経験して採用された先生がごいさんの周りにもけっこういる。そしてそれだけ頑張ってきた先生たちは人一倍熱い思いを胸に抱えている。

ごいさんも40年前に東京の都立高校で教育実習をやった。その当時は今のようにスーツを着るなんて考えもしなかった。信じられないだろうけどジーパンにポロシャツという出で立ちだ。生徒も私服だったから、生徒に混じって実験をやっていると完璧に同化していた。今となっては何をどう教えたのか全く記憶にない。ただ、最後に校長先生や教頭先生を招いての研究授業で、その時の実験を見事に失敗したことだけははっきり覚えている。今は何とも思わないけどね。生徒たちと一緒に毎日をわいわいと騒いで、あっという間に3週間が過ぎてしまった感じだ。最後の日は文化祭で、多くの生徒がお菓子やらジュースとかを持ってきてくれた。そんな素敵な生徒たちとの出会いがあったから、先生という仕事に興味を引かれていったのかもしれない。

そんなごいさんに比べれば、今の実習生たちの周到な授業の準備、板書の仕方や話し方なんてなかなかのものだ。でも一つだけ言わせて。先生にとって一番大切なのは、どんな生徒とも話ができてそして少しでも多くのことを分かってあげられるということなんだ。だからこの実習期間中はできるだけたくさんの生徒と話をしてその喜びを味わってほしいと思う。教え方を上達させるのはさほど難しいことじゃない。でも先生としての感性を磨くのはとっても大変だということ、分かっていてほしいから。

昔に比べて先生の仕事は雑務が増えサラリーマン化している。正直、面白みは失われつつある。それでもそこにはみんなを待ってくれている生徒がいる。まさしく今を生きている生徒たちがみんなの相手なのだ。まだまだやりがいのある仕事であることに間違いはないよ。

先生を志した実習生の皆さん、ぜひその夢を成し遂げて素敵な先生になってくださいね。

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