教員採用試験・2次試験
夏休み中の勤務日を7月にまとめた関係で、昨日が8月に入っての初めての出勤となった。学校の方も来週の月曜日から平常の授業が始まる。気持ちの切り替えとともに授業の準備もしなければならないのでちょうどよい。
ところで今週は神奈川県の教員採用試験の2次試験が行われているのだが、この学校もその会場の1つとして使われている。2次試験は模擬授業と面接試験だ。職員室からも時々受験者らしき姿が目に入る。みんな白いワイシャツに黒のズボン、それにあの黒い鞄といった同じ出で立ちだ。ネクタイがないのはそういうお達しが当局からあったのだろう。
県の発表によると、昨年の高校の数学の場合、338人が受験し1次試験で半分ほどの160人が合格。2次試験で最終的に60人が合格している。1次試験は専門と教養の学科試験。1次試験を突破すれば2次の面接試験で合否が決まることになる。面接試験がこれだけ重要視されるようになったのはいつ頃からだろう。一時、人物重視が社会的風潮になったことを思い出す。確かに先生の人柄は大事だし、コミュニケーション能力もかなりのものが要求される。いくら専門の能力があっても高校生を相手にきちんと教えられなければ何にもならない。
……でも、専門バカみたいな先生がいるのも面白い。それに、おっとりした人やせっかちな人。先生にだっていろんなタイプがあっていいと思う。面接試験でいい評価を受けるのは、元気があってはきはき喋れる人といった感じかな。ごいさんならそうだね。それはそれで歓迎するところなんだけれど……。新しく入ってきた若い先生を何人も見ている。みんな明るく真面目、仕事もテキパキとこなす。いい人が先生になったと思う。でも、みんながみんなそうだとなんか物足りない気もしてくる。贅沢な話だけどね。
ここからは昔の話。ごいさんの面接試験は惨憺たるものだった。よく覚えていないのだが、あの頃ってみんなスーツを着ていたのだろうか。少なくともごいさんは違っていた。ポロシャツの上にジャケットを羽織り、ジーパンにスニーカーという格好だ。それでもジャケットは新調したし、自分ではご満悦の気分だった。今だったら論外だろうけど。
そして最初の質問である志望動機でつまずいた。思ったことを言えばいいのだろうぐらいの感覚で、「2年ほど働いてお金を貯めたら大学院に行こうと思うんです。」なんてことを平然と言って、面接官の怒りを買ってしまった。それからお説教が続き、ようやく20分ほど過ぎて本来の面接に入るという感じだった。そんな訳で合格通知が届いた時は正直驚いた。結果として、自分は先生としての素晴らしい人生を歩くことができたのだから、今はただただ感謝するしかない。