第8回 呑兵衛達の旅 ~8月11日~

今朝は午前3時を回ったところで目が覚めてしまったので、少し早いが走りに行くことにした。フロントで靴ひもを結んでいたらホテルの宿直の人が現れた。「これから走るんですか」「え~」「少し前に熊が出たんですよ」「えっ……」「でも最近は出てないみたいですけど」「……、……」「この鈴、持っていきますか」ということで、鈴を借りてもう後戻りができない。まだ外は真っ暗で外灯もない。そこで明るくなるまではホテル周辺を走ることにした。少しして周りが見えるくらいの明るさになったので、こうなれば熊さんが出ても大丈夫だろうと思い先まで行くことを決意。結局この日の距離は17キロ弱。宿に戻って鈴を返す時、先ほどの方がにっこり微笑んでくれた。f:id:goisan:20160811055723j:plain

朝食をさっさと済ませ部屋に戻って日本対スウェーデンの試合を観戦する。コロンビアがナイジェリアに負けることが前提だったのだが、コロンビアが先制してしまう。さらに後半に入って追加点を決め、コロンビアの勝利は決定的となった。日本も1-0で勝利したが結局予選敗退。しょうがないね。9月から始まるワールドカップ予選に期待することにしよう。

さて呑兵衛旅行も最終日。宿を9時に出発し、まずは磐梯山噴火記念館に向かう。磐梯山の他に御嶽山や長崎の普賢岳などの解説もされていて興味深いものがあった。30分ほど見学して桧原湖に戻ると、ちょうど遊覧船が出たところ。どうしたものかと迷っていたらモーターボートを勧められた。一周20分で説明もしてくれるという。最初は戸惑ったが、そこは興味いっぱいのお爺ちゃんたち。初めてのモーターボートに挑戦することになった。これが大正解。そのスピード感は最高の気分だった。小回りも利くし、端から端まで行ける。5人のお爺ちゃんたちのはしゃぎようは子供みたいだった。運転してくれたお兄ちゃんも爽やかで説明もとても上手でした。f:id:goisan:20160811091449j:plain

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次に向かったのは、高村光太郎の詩集「智恵子抄」でお馴染みの高村智恵子の生家。ごいさんには病気がちの可哀そうな女性ぐらいの印象しかなかったのだが、ここで出会った智恵子はそうではなかった。積極的で強く生きた女性だった。彼女の作った紙絵も本当に素敵で、一つ一つの作品から彼女の思いが伝わってくるようだ。智恵子の素晴らしい才能に感服。光太郎にとって彼女の存在がいかに重要であったか、初めて理解できたような気がした。f:id:goisan:20160811115748j:plain

最後の見学地は、安達ケ原の鬼婆伝説の「黒塚」だ。黒塚とはその鬼婆の墓で、観世寺というお寺から歩いて3分ほどのところにある。お寺の敷地内には鬼婆像や鬼婆の住んでいた岩屋、血で染まった包丁を洗ったという池が残されていて、観光客も多いという。能や歌舞伎の演目としても有名らしいのだが、ごいさんにはこの手の知識がまったくない。改めてこの旅行のありがたさを思い知ったところだ。f:id:goisan:20160811132944j:plain

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さて、これで見学はすべて終了。一路、郡山駅を目指す。お土産には定番の「柏屋薄皮饅頭」と「ままどおる」を購入。16時30分発のやまびこ146号で帰途に就く。旅の終わりの寂しさはあるが、来年の旅への期待感がまた新しく膨らむ。来年は東北6県の最後、宮城県。どんな呑兵衛旅になるのかな。

 

(観世寺にいたのらちゃん)f:id:goisan:20160811134939j:plain