下の子の誕生日を迎えて

4月9日は下の子の誕生日だった。31歳になった。もう十分大人じゃん。今さら誕生日でもないだろうにって思う。確かに、そう。だからこれといってお祝いするわけじゃない。子供にもお祝いの言葉を言ったりするのでもない。ごいさん一人が勝手に思い込んで盛り上がっているだけなんだ。

小学校4年生の時の暮れからお正月にかけて発症した病気は彼の人生を大きく変えたに違いない。ミニバスをやっていて思い描いていた未来への夢は消え、さらには丸々一年に及ぶ苦しい闘病生活を送った。子供が歩くこともできなくなるかもしれないとドクターから言われたその日のごいさんは、寝ることもできないくらいにいろんなことを考えた。今でも自分がもう少し早く気づいていれば軽症で済んだのにと思っている。

腰の周りをギブスで固定して半年余り寝たきり状態だった。それがどんなに苦しいことか。家に帰ってソファでじっと動かず仰向けになって横たわってみたけど数分間も耐えられなかった。子供はそんな状況に何か月も置かれ、子供ながらに人生観も大きく変わったのではないだろうかと思う。それから20年が過ぎた。幸せなことに今のところ悪化はしていないようだ。彼の誕生日を迎えるたびにその幸せを感謝する。

子供が入院中も退院してからも、その時どんな気持ちだったのかというのを子供に聞いたことがない。なんだか怖いんだと思う。きっとこれからも話すことはなさそうだ。その代り、自分の生きている限りは見守っていこうと思っている。もちろん自己満足に過ぎないのは十分に承知している。

ともあれ今年も無事に子供の誕生日が迎えられ、それを当たり前のようにここに書けることが何より嬉しい。どんなに親バカだと思われてもね。

「まさ、31歳の誕生日おめでとう。」

 

今年は奥さんがチーズケーキをお祝いに買ってきた。f:id:goisan:20170410225951j:plain