ニューヨークを歩く ~ 後 ~
ニューヨークシティマラソン大会の翌日は、手っ取り早く回れるということでワシントンD.C.の観光ツアーを申し込んだ。ニューヨークのペンシルバニア駅(ペン・ステーション)からワシントン・ユニオン駅までアムトラックという電車に乗って約3時間半。駅に降り立ってみてまず思ったのは駅構内の立派さだった。時にはこの構内で要人のパーティーが開かれたりもするという。
最初に訪れたのはアメリカ合衆国議会議事堂。続けてホワイトハウス。主のトランプ大統領は正に日本を訪問中で当然ながら不在。次に向かったのはアーリントン国立墓地。ケネディ大統領が眠る。思えば小学校5年生の時だった。友だちと歩いていた時に空からビラが降ってきてそれにケネディ大統領が暗殺されたことが書かれてあった。
それからリンカーン記念堂。ここは集会や演説の場所としてよく使われるということだが、実際ここに立ってみるとあのキング牧師の「I Have A Dream」の演説やオバマ大統領の就任演説が聞こえてくるようだ。リフレクティング プールの向こうには独立戦争時のワシントンの業績を称えて建造されたというワシントン・モニュメントが天高くそびえ立つ。
最後の訪問はスミソニアン国立航空宇宙博物館。ゼロ戦が飾られていたのが印象的。ライト兄弟やリンドバーグが実際に乗ったという飛行機にも目を引かれる。そして何と言っても本物のアポロ11号の司令船。アポロ11号が月面に着陸して月への旅行がもうすぐ始まる。そんな思いから宇宙飛行士を目指した時がある。心躍らせた高校時代だった。
さて最終日は丸一日ニューヨークを歩き回る。まずはあのツインタワーの跡地に建てられたというワン・ワールド・トレード・センタービル。102階の展望台までエレベーターでわずかに1分。続いてお隣にある9.11メモリアルミュージアム。グラウンド・ゼロの地下に作られた。ニューヨークの表の華やかさとは打って変わって、そこにあったのは静寂と悲しみの空間だった。たくさんの資料が展示されていて見応えも十分、2時間でも足りないほどだった。
写真は、事件後の廃墟に最後まで残っていたという「最後の柱」。
次に向かったのが先日電車を乗り間違えて辿り着けなかったブルックリンブリッジ。この日は気温が10度と低く強い風も吹いていてかなりの寒さだったが、沢山の人が橋を歩いていた。続いては自由の女神クルーズ。乗船時間を間違えて1時間半も待っての乗船となった。少しずつ自由の女神が大きく見えてくる。下を歩いている人と対比すると自由の女神が相当に大きいことが分かる。やはり近くで見るのは感動的だ。
さて最後の見学場所は「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」。乗船時間を間違えたために閉館時間まで1時間余りとなってしまったのが残念。芸術的な感性は無いに等しいごいさんなので、ピカソやゴッホの何がいいと言われてもよく分からない。でもそんなごいさんでも芸術への憧れとか興味といったものはそれなりにある。ピカソやゴッホの本物に会えるのはやっぱり嬉しいのだ。MoMAは撮影も自由で、写真は上から、ピカソ、ゴッホ、モネの作品。
こうして今回のニューヨークの旅は終わった。けっこう動き回ったつもりだけどまだまだ見足りない。でも間違いなくニューヨークが身近になったことは確かで、それと同じくらいに他の国にも興味が湧いてきた。少しばかりごいさんも国際的になったみたいだ。