鶴ヶ城・飯盛山・白虎隊
昨日、会津鶴ヶ城ハーフマラソンに参加してきた。6月頃に大会一覧を見ていてたまたまこの大会が目に留まった。宿泊交通費が気になったのだが、朝食付きホテル代と往復バス代がセットになった12,000円のツアーが組まれていた。前から会津には行ってみたいという思いがあったのでこれを見つけた瞬間に参加を決めた。マラソン大会に参加するというよりも会津の街を見学するという方に興味は強かったかもしれない。八重の戦った鶴ヶ城や白虎隊が自決した飯盛山だ。
朝9時に新宿を出発して、会津若松駅には午後2時少し前に到着した。バスの乗客はもちろん全員ランナーだ。50代後半ぐらいと思われる隣の人はフルを3時間足らずで走るそうだが、道中にあれこれとレクチャーをしていただいた。こういうことがあるのもいかにもツアーらしい。もちろん彼は表彰台を狙っている。
さて荷物をホテルに預けて早速に鶴ヶ城へと向かう。天守閣に上ると四方の眺めが実に素晴らしい。磐梯山も雄大だ。この城内に籠って戦った人たちはどのような思いで磐梯山を見ていたのか。毎日浴びせられる無数の砲弾。次々に増えていく死者の数。そして援軍の来る望みがない絶望感。彼らに秋の訪れる気配は感じられたのだろうか。天守閣に吹いている風を受けながらしばらくその時代に思いを馳せてみた。
飯盛山に着いたのはすでに5時近くでもう人影もまばら。彼らの墓、そして自決した場所にお線香を手向ける。そこからは鶴ヶ城がよく見える。彼らは城が落ちたと思い自決したとある。16歳から17歳の彼らは何のために死んだのか。死ななければならなかったのか。世界大戦の最後の特攻に赴いた若者とも思いが重なる。決してあってはならないことだった、そう思う。
堀内孝雄さんの「愛しき日々」の歌詞が思い出される。
「愚か者だと笑いますか 急ぐ命を笑いますか 不器用者と笑いますか いとしき日々の はかなさは 消え残る夢 青春の影」
夕食を食べに七日町通りに出向く。レトロな感じで観光客にも人気があるというのだが、夜の7時にはほとんどのお店が閉まっていて歩いている人もいない。そんな中で見つけたのが「七日町食堂」だ。暖簾の感じが如何にもノスタルジック。お店の中もそんな感じだ。お目当てはもちろんソースかつ丼。会津では庶民の味として人気だそうだ。写真を撮り忘れたのがとても残念。
先客が帰って客はごいさん一人になった。ソースかつ丼が運ばれてきて、さて手持ち無沙汰になったご主人が話かけてきた。どうやら話好きのご主人らしい。最初は戸惑ったのだけど、こういう出会いもごいさんの求めるところ。政治の問題から教育の問題となかなか高尚だ。知識も豊富でどんどん引き込まれていく。会津に親しい知人ができたようで何だか嬉しくなってきた。「お客さん、来年もいらっしゃいよ」なんて帰り際に言われたもんだから、つい「はい」なんて返事をしてしまった。嘘はつけないからなあ。知らない土地に行くのってこういう出会いが楽しいね。
ということで、明日は大会本番。しっかり寝ておかないとね。