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金八先生のように叱りたい

生徒を叱るというのはとても難しいことです。叱った後の何とも言えない後味の悪さ。それはその日だけではなくその後何日も続く時もある。そんな思いをするくらいなら無理してまで叱らない方がいいに決まっている。そういう思いまでして叱ってくれる先生はたいてい素晴らしい先生なのだ。ただ、生徒の中には先生が叱っている様子を冷静に見ている子がいる。怒りに任せて下手な叱り方をすると逆効果になってしまうことも多い。

ごいさんが初めて生徒を叱ることができたと思ったのは先生になって3年目の12月だった。今でもその時の記憶が鮮明に残っている。その日は朝まで寝られなかった。翌日には顔を合わすが口はきかない。そういう日が過ぎていく中でその子たちの態度が日々改まっていく。その後はもう叱ることはなかった。

ちょうどその年の秋に、金八先生のドラマが始まった。それまでの学園ドラマと言えば、ラグビーやサッカーの部活動を通して友情や連帯感が生まれていくというものだったから、長髪で今一つぱっとしない金八先生を見てほとんど期待もしなかった。それでも回を追うごとに、金八先生の生徒一人ひとりに接する姿勢に魅せられていく。そして金八先生お馴染みの長ゼリフにあこがれた。分かりやすく説得力のある話し方、心に染み入る言葉の数々。それはそれまでの自分が体験したことがない考えられないようなことだった。当時26歳の自分は、それをずいぶん真似しようとしたものだ。

一時の感情で怒るのではない。どうして叱られるのかをきちんと説明していけば、必ず自分の気持ちを伝えられると思った。状況によってはその場で怒鳴ることも必要だが、ただ頭に血が上ったような状態でいくら怒っても、その真意を伝えることは難しい。

クラス全体を叱るというのはそんなにあるわけではない。たいがいは一部の子を叱りたいのだが、結局は全員が話を聞くことになる。クラスには様々な生徒がいる。なんで関係ない俺たちまで怒られなければならないんだ、そんな思いを抱く生徒も多い。そんな彼らに、同じクラスの一員として何かできることがなかったのかと問いかける。他人事ではなくみんなにも関係があるんじゃないのかと考えさせる。これも金八流。そうしてみんなが分かってくれれば同じことで叱ることは2度とない。

ごいさんも以来ずっと叱ってばかりきたように思う。後味はもちろん悪い。でも叱ることこそ教師の仕事じゃないか。まだ高校生の彼らが間違いをするのはある意味しょうがないことだ。それをきちんと正してやらなきゃいけない。それができるのが先生だと思うから。

金八先生のようにはいかないけど、それでも叱り方はだいぶ上手くなったような気がする。金八先生のドラマは半年だった。期間が半年だけならもっともっと頑張れるのにって思ったことは何度もある。

でも、ごいさん先生のドラマは40年近くも続いたんだもんね。よく頑張った……と思うよ。

 

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