旅立つ3人の若い先生たちへ
ごいさんが最後に出会った3人の若い先生が、この4月1日付けで新しい学校に異動した。昨日はその離任式だった。3人は5年前に同時に採用されてこの学校にやってきた。数学のH池先生、社会のK賀先生、体育のH田先生である。ごいさんとはそれから3年間を一緒に過ごす。みんな若さはつらつのスポーツマンだ。今日はこの3人のこれからの活躍を期待しながら、彼らにメッセージを送ろうと思う。
H池先生は同じ数学の先生なので、この3人の中では最も関係が深い。一緒に飲んだことも多く、いつも最後までつき合ってくれる。感じの良い好青年だ。授業の説明も丁寧で分かりやすい。何より生徒が楽しそうなのがいい。話しているとその熱心さがじわりと伝わってくる。ちょっと笑った感じが優しさを醸し出している。きっと生徒にも受け入れられる笑顔だ。文化祭では、スカートを履いてAKBの真似をして踊っていたのが目に焼き付いている。そういう何でもやれるのって、案外大事なんだよね。
K賀先生は、同じ職員室の住人だった。因みにこの学校は職員室が4つに分かれている。教科もグループの仕事も違って話す機会は限られているが、その丁寧な応対は心地よいものだった。今日の挨拶でも語っていたが、初めは会社員だったのがどうしても先生になりたくて通信教育で資格を取って教員になったという。なるほど熱意が人一倍あるのも頷ける。生徒を叱っているのを見かけたことがあるが、その言葉からは十分過ぎるくらいの思いが伝わってきたよ。
H田先生も熱血漢だ。いかにも体育の先生らしく上下関係についてはしっかりしているから、ごいさんはいつもVIP待遇で扱ってもらっていた。最初の記憶は、講演会の会場で生徒たちに厳しく注意を与えている光景だ。昔は大きな声で指導するのは当たり前だったけど、最近では珍しいことだからはっきりと覚えている。昔のごいさんを見ているようで嬉しくなったよ。話をする時はガチガチの敬語を使ってくれるから、こちらも一緒になって緊張しちゃう。けど、それもなかなか楽しかった。職員室も違うし3人の中ではもっとも接する機会が少なかったけど、印象深い先生の一人となった。
2校目のジンクスというのがある。1校目の思いをあまりにも引きずってしまうのだ。「郷に入れば郷に従え」というわけではないが「謙虚な気持ち」を忘れないでね。それぞれの学校では、そこに居る生徒も先生もその環境もだいぶ違う。学ぶことはまだまだ多い。今の学校の思い出は思い出として、新しい学校でも積極的に学んでいってほしい。
学校が違えば当然得られるものも違ってくるのだけれど、その価値の重さは同じだ。それはどんなものであれ、すべて自分自身を成長させるためのものである。これからもたくさんのことを学び、いろんな生徒から好かれる素敵な先生になってくださいね。
皆さんは、同じ頃のごいさんとは比べものにならないほどすでに立派だ。でも、先生ってとても奥深い魅力的な仕事なんだ。だから、きっと退職するその日まで進化し続けなければいけない……と思うのです。みんな、頑張ってね。
昨日の冷たいみぞれで、今年の桜もいよいよ見納めですね。