館山若潮マラソン ~ 後 ~

号砲が鳴ってから1分40秒遅れでようやくスタートラインを越える。混雑は相変わらずで、ジグザグ走行で抜こうと思うのだがそれもなかなかうまくいかない。それでもなんとか最初の1キロを5分18秒まで上げて通過した。これで少しはばらけた感じになってその後はキロ4分台に突入する。

いつもなら5キロを過ぎた辺りで調子が出てくるのだが、まだ無理をして走っているような感覚がある。風邪の影響も少しはあるのか。でも走ると決めた以上はやるしかない。そうして最初の10キロを48分35秒で通過。思ったよりもハイペースになっているが、後半を考えれば前半で少しは貯金を作っておきたいところだ。

菜の花の綺麗に咲いたフラワーラインを抜けて20キロまでのタイムを確認しようとしたらなんと時計が動いていない。少し前に時計をいじった時に止めてしまったようだ。その間500m前後らしいのだが、もはや時計を当てにすることができなくなってしまった。これからは1キロ毎のラップを刻んでいくしかない。ここまでの貯金があるからキロ5分で行ければサブ3.5だ。

後から記録を見たら中間点まで1時間41分26秒だった。さあこれから上り坂が始まる。最近上り坂には少しばかり自信を持っていて、ここで一気に追い抜いていくのを励みとしている所がある。もちろん足への負担は大きいのだが。そしてこの大会最大の難所と言われている激坂にやってきた。それでも、秦野水無川、三浦、それにこの前の奈良だってこのぐらいの坂はいくらでもあったからそんなに怖いと言うほどでもない。

激坂を上った後は一気に下って海岸沿いに戻ってくる。ここからはまだ何回かのアップダウンがあるのだが、今はそれも十分承知している。むしろ最後の上りを終えての残り4キロの平坦な道のりの方が辛いものがある。このレベルだと前のランナーに追いつくのは容易ではない。女の子2人に抜かれた時はついていけない自分が悲しかった。40キロを超えた辺りでは周りを見る余裕も冷静な感覚も失っていた。後から知ったけどこの辺でびあーさんを抜いたらしいのだがまったく気づかなかった。ごめんね。

残り1キロを切ってだいぶ前に自分を抜いていったお年寄り2人を発見。よし、最後はかっこよく決めようなんていうことでスピードを上げる。そしてゴール手前でこの2人をかわしてフィニッシュ。完走証を見たらタイムは3時間24分36秒。なんと今までの記録を3分33秒も短縮。順位は481位。60歳以上で12位ってこれにもびっくり。素直に嬉しい。

今日はブログ仲間の皆さんにお会いしたのが大きな刺激になったみたい。びあーさんは大変だったみたいだけど彼なら次にきっとリベンジを果たす。naoさんは次はサブスリー、furuhon-yaさんも次はサブ3.15、十分狙っていけるね。皆さんの活躍、これからも楽しみにしています。ラン仲間のS田さんも久しぶりに満足したレースができたみたいで上機嫌だった。

最後になりましたが、沿道で応援してくれた皆さま、ボランティアの皆さま、役員の皆さま、大変お世話になりました。ありがとうございました。

 

いつものように久里浜の「一升屋」で反省会。写真は「高清水」の利き酒セット。左から「吟醸酒」「純米酒」「原酒」f:id:goisan:20170129185858j:plain

 

館山若潮マラソン ~ 前 ~

昨日は館山若潮マラソンを走ってきた。今回で4度目となる。直前になってA美さんが体調を悪くして、S田さん、Y村さん、そして自分の3人での参加となった。前日に富浦駅近くの宿に泊まり、朝8時に若女将さんの運転で会場のすぐ近くまで送ってもらう。リーズナブルな宿泊代金の上に送迎付きという至れり尽くせりのありがたいお宿なのです。「また来年も来てくださいね。」と笑顔で言われたら断る理由がない。

今日はよく晴れていて風もなくとても暖かい。スタートの10時までにはまだ時間があるが、早速に着替えて海沿いを軽く走ってみることにした。実は、ごいさんは少々風邪気味で喉に若干の痛みとわずかだけど咳も出るような状態だった。正直、今朝になるまでどうなるか不安だった。少し走ってみて特に問題もなさそうで、ようやく走る決意が固まる。

ブログ仲間で9時15分に会場内のトン汁コーナー付近に集まろうということだったので、ちょっと早めに行ってお汁粉を食べながら待つことにした。ほどなくして「激沈上等」と書かれた真っ赤なシャツを着ている方がお二人現れた。声を掛けてみるとそのお一人がfuruhon-yaさんだった。スリムな体型に精悍な顔立ちはいかにもやる気十分といった感じだ。何よりその真っ赤なシャツがよく似合っている。そのすぐ後にびあーさんとnaoさんが連れ立って現れた。naoさんはビニールを上に被っていてちょっとみたらキラキラ光っていて一瞬ウルトラマンのように見えた。これまたとんでもなく速そうな人だと直感した。そしてお馴染みになったびあーさん。ソフトなスマイルなのに凄い強さが感じられる。三者三様だけどこの大会にかける意気込みがひしひしと伝わってくる。

ごいさんはというと木曜日頃から少しばかり喉が痛くて葛根湯にお世話になっている。今日も咳や熱が出たら棄権を覚悟していたのだが。天は我に味方したというべきか、それとも昨日の夜にS田さんにがんがん飲まされたおかげというべきか、風邪の方はそれほどひどくはならなかった。今回のごいさんの目標は昨年のこの大会で出したコース記録3時間37分26秒を更新することだ。このアップダウンの激しいコースでのサブ3.5狙いは端からあきらめていた。

さて、ブログ仲間のお三人。みんな本当に素敵な方たちだった。話していると自分もまだ若いんじゃないかと錯覚するぐらい。まだまだ話せそうでもっと話をしていたかったけど、自分の仲間とのおつき合いもあったのでお先に失礼させていただいた。

少ししてスタートの列に並ぶよう放送が入る。ごいさんは記録的には3時間から3時間半のBブロックでもよかったのだが、館山の記録を考えて3時間半から4時間のCブロックの真ん中辺りに並ぶことにした。そしてスタートの号砲を待つ。

 

右がびあーさん、左がfuruhon-yaさん、対面がnaoさん、手前がごいさん。f:id:goisan:20170129091625j:plain

 

いずぃなりの里へ(後)

夜中の風の音が凄くて自分は時々目を覚ました。築年数のだいぶ経つこの家は大丈夫かと不安になるが、当のご主人はこれだけの物音にも全く動ぜずに爆睡している。今朝は7時に家を出て内浦漁港の朝市に行く予定なのだが、6時半になっても一向に目を覚まさない。声をかけるが寝ぼけた感じでまた寝てしまう。結局起きたのが7時半。慌てて家を飛び出した。

伊豆の朝市というのでかなり盛大なものを期待していたらさほど店があるわけでもなくお客さんもまあこんなものかという感じだった。それでも干物やシラスは旨そうだったし、野菜や果物もけっこう安い値段で売られていた。売っている人もお客さんもどちらかというとこの近くに住むお年寄りたちという感じで、観光客目当てという感じではなかった。

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一度戻って、今度は湯ヶ島まで湧き水を汲みに出かける。設備の維持ということもあって、20リットル100円というお値段がついている。この湧き水、なんと半年ぐらいは持つらしい。伊豆には他にも水の湧くところが何か所もあって、安く手に入るのがちょっと羨ましい。

帰り道で、吉奈温泉に足湯に浸かりながらパンを食べられるという店があるから行ってみたいと言う。何も足湯に浸かってパンを食べることもないだろうにと思ったけど、いつも通り過ぎてばかりの吉奈温泉には興味があったから行ってみることにした。吉奈温泉はメインの道路から1キロほど奥まった所にあって、「東府や」と「さか屋」という2軒の宿が向かい合ってあるだけの小さな温泉だった。

今日のお目当てはその「東府や」の中にある「ベーカリー&カフェ」というところだ。風が寒くて足湯に浸かっている人は少なかったが、パンを購入しようとお客さんが次々とやって来る。こんなところで列ができるというのもよほどの人気店なのだろう。それに車でなければ来られないし。パンと足湯とは妙な取り合わせだけど、カップルや女性同士の中にお爺ちゃん2人というのもそれ以上に妙な感じだったかもしれない。

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さて再び戻って車から水を降ろし、近い再会を約束して帰路に就く。I坂さんの大切な休日をそうそう潰しては可哀そうだ。今回も申し出は突然だった。彼がよほどでなければ断らないのを知っているごいさんは相当の悪人だと思う。夜も眠いのにつき合ってくれる。今日もあちこち連れまわしてくれたおかげでいい気分転換もできた。飲んで帰るだけとはだいぶ違う。その辺の気の遣いようも本当に嬉しいことだ。

彼は週末を自宅のある神奈川に戻って過ごし、平日はここで一人暮らしをしている。自分の思うように生きている感じがする。でも彼を羨ましいと思ったことは一度もない。彼の真似はできないし、それは彼自身の人生なのだから。何が楽しいのかは未だに分からないが、人生を楽しもうという気持ちは伝わってくる。そこに惹かれるものを感じているのだと思う。なんでもいいのだ。生きるのに懸命な人の人生は輝いていて魅力的だ。そういう人に自然と人も集まるのだと思う。

ごいさんも一生懸命生きて、そしていろんな人と出会いたい。またそんな思いを強くしたのだった。

 

国道246号線、裾野付近で撮影。f:id:goisan:20170122135244j:plain

 

いずぃなりの里へ(前)

先週の土曜日に伊豆にいるI坂さんという友だちに会いに行ってきた。何故かと言えば、それは彼が親友だから……かな。ごいさんは小さい頃からいつも輪の中心にいないと気が済まないという性格だった。それは先生として働くようになっても変わらなかった。いやますますひどくなったと言った方が正しいのかもしれない。そんな自分だから人前で弱気を見せるなんてことはさらさらできることではなかった。それに周りの人たちもそんなことを期待してはいないだろうし。

でも本当は、周りで見られるほどに行動的でも度胸があるわけでもないのだ。何をやる時でもいつもびくびく冷や冷やしている。決して行き当たりばったりで発言したり行動したりすることはない。かなりの時間を費やして考えた上でのことだ。ごいさんならできるだろうという信頼を裏切るわけには行かない。だから何事も無く終えた時の安堵感は半端じゃない。そうして、表向きは屁の河童のような顔を装っている。だから仲間のみんなはごいさんが小心者だなんてほとんど思わない。ごいさんはいつも強いごいさんでいなければならない。ずっとそんなふうに生きてきた。

でも、自分だけは本当の自分を知っている。ただ強がって見せているだけの本当は弱い人間だということをね。それでも、そうやって気持ちが落ち込んだ時でも周りの仲間には知られたくないと思う。そんな時の一番の解決策が心を許せる友に会うことなのだ。なんでもいい、何も考えずに思いつくままに話をして、それをただ友に聞いてもらうだけ。伊豆のI坂さんはそういう友の一人なのだ。合いの手を適当に入れながら何時間でもただただ話を聞いてくれる。

しばらくぶりの長距離ドライブだ。伊豆長岡まではごいさんの家から100キロほどの距離。いつもは湘南海岸沿いに走り箱根を越えて三島に出るのだが、今回は山側の246号線で沼津経由で行くことにした。待ち合わせ場所は、長岡の共同浴場「あやめ湯」。6時ちょうどに着くとI坂さんはすでに中にいて髪を洗っている所だった。彼のブログによく登場するあやめ湯仲間のうちのマイ桶氏とスキンヘッド氏が一緒だった。

家に着くと早速にストーブに火を入れる。薪がパチパチと音を立てて勢いよく燃える。あっという間に部屋が暖かくなってくる。I坂さんお手製の松前漬けがどんぶり一杯に盛られて差し出される。それからこの前考え出したというご自慢の山芋の醤油バター焼き。醤油とバターがうまくマッチしてそれに山芋のシャキシャキ感が何ともたまらない。それにアマゴの山椒煮。どれもこれもおつまみのたぐいだから、二本持っていった焼酎も一気になくなる勢いだ。

一人の時は9時には就寝というのだが今日はごいさんへのお付き合い。眠そうな目をこすりながらも起きている。さすがに11時を回ってこれ以上は可哀そうだからとお開きにして寝ることにした。布団を敷いて横になって電気を消したとたんに寝息が聞こえてきた。よほど眠いのを耐えていたのだろうと思うと、またまた友のありがたさを思うのだった。

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午前中に横浜大桟橋から撮影。今日は富士山がはっきり。f:id:goisan:20170121100809j:plain

 

中だるみ的な日々

ごいさんというと、いつも元気に動き回っているイメージかしら。確かにその通りなんだけど、ここのところ少しばかり調子を落としている。毎年のことだけど、この1月中旬辺りになると新年の疲れがどっと出てくるのだ。ちょっとした鬱みたいな気分かな。そういう時に限って、天気も一段と寒くなったりしてその思いを一層強くする。今朝もベランダに洗濯物を干していると白いものがちらほらと落ちてきた。すぐに止んでしまったけどね。20分ほどベランダにいただけなのに手がカチカチになってしまった。部屋ではガスファンヒーターの燃えている音だけがゴーッと響いている。うちでは、朝はいつも速効性のあるファンヒーターを利用している。

毎年のことだが、新年早々に今年の計画を立ててはあれもやろうこれもやろうなんて張り切り過ぎてしまう。少しオーバーペース気味と分かってはいるんだけど。このせっかちな性格は生まれつきだからしょうがないと思っている。現役で働いていた時よりは自由な時間が増えていて当たり前なのに、何か暇な時間ができるとそれではいけないと思ってしまう。それがもったいないと思ってしまうのだ。体は若くないのに、気持ちはいつまでも若いつもり。いつも何かをしていないと気が済まないんだね。

そんなことでこの2~3日は空気の抜けた風船みたいな当て所ない感じで過ごしている。今日は午後からの授業で家を11時に出る。わざわざ午後から出かけていくのは大変でしょうと言ってくれる人も多いが、自分は案外気に入っている。朝一番に洗濯をして授業の予習をしたりしてもまだ時間は余る。午前に授業があって午後帰って来るパターンだと、ちょっと寄り道しているとそれで一日が終わってしまうという感じなのだ。

今日もいつものように洗濯をして授業の予習をして、それから残りの時間で借りていた本を読み終えた。月に本を2冊読むというのも今年の目標の一つに挙げたから早速実行に移している。でもなかなか読めなくてあっという間に2週間が過ぎて今日が返却期限になってしまった。まだ三分の一ほども残していた。

やる気がないからブログに書くような出来事も起きない。何かを思いつくなんてこともなくて、今日はこんな記事になってしまった。まあごいさんらしくないごいさんというのもご理解していただくのもいいかと思ってちょっと書いてみた。でも、心配しないで。ごいさんは気分転換を図るのも得意なのだ。こんな気持ちが消えてしまうのも時間の問題。それに来週からはしばらくマラソン大会が続く。記事を書いたりするのでけっこう忙しくなるから、こんな感じに悩んだりしている暇もなくなる。こんな日々があるのも悪くないことだと思っている。

ということで、こういう時は友と酒を酌み交わすのが一番。明日は伊豆でご隠居染みた生活を送っているI坂さんを訪ねることにした。朝市に行くというからそれもちょっと楽しみ。

 

相模大野グリーンホール横にあるからくり時計。いつもは扉が閉まっている。f:id:goisan:20170120120214j:plain

 

2017 相模原駅伝競争大会

昨日、今の学校の先生たちとチームを組んで相模原駅伝競争大会に参加してきた。5人で1チームとなり、会場となっている競技場の外を大きく一周して襷をつなぐというものだ。一周は3キロのコースだが、第1区だけは競技場内を余分に走るため3.3キロとなっている。わずかだけの違いだが、それでも1区には強者が揃うようだ。うちの学校からはA、Bの2チーム、計10人の先生が参加した。昨年の記事にも書いているが、こんな寒い中をしかもただ走るためだけに10人も参加するなんてそうそうできるもんじゃない。だいたいみんなランナーじゃないしね。こういう職場の雰囲気ってとても大事だと思う。

自分以外は、今年採用された先生も入れてほとんどが20代か30代の前半だ。そんな中にこんな年寄りを混ぜてくれるなんて何ともありがたい。自分は若い人たちと話すのが大好きだ。年寄りをヨイショしてくれて心地良いというのもあるが、何より活気があるのがいい。そういうのは見ているだけで楽しいし、若い人たちの会話はただ聞いているだけで十分に面白い。時々気を遣ってごいさんに話を合わせてくれるのも嬉しいことだ。

さてこの駅伝競走大会、優勝チームは5区間15.3キロを走って48分台ということだからけっこうレベルは高い。上位チームの選手たちの格好はビシッと決まっていて見るからに速そうだ。それからすれば、我々のチームは参加することに……なんていう感じなのだが、もちろん走る以上は少しでも上位に行きたいとみんな思っている。走る前になんだかんだと言ってはいるが、走り出すとみんな本気モードだ。

ごいさんはBチームのアンカーとして第5区を任された。みんなが実力以上に評価してくれるから緊張感が半端じゃない。それでもやっぱり自分も去年のタイムを上回りたいと思う。マラソンだって自己記録を更新してきて昨年よりずっと自信を持てている。今日は実家からここまでジョギングで来て、アップも十分だ。

4区を走った先生から襷を受け取る。前のランナーが見えていることもあってまずは追いつこうとかなりのスピードで走り出す。追いついたところでしばらく並走。その方は格好も走り方も様になっていていかにもランナーという感じだ。でも年は同じくらい。ならばとごいさんの闘争心に火がついた。残り1キロとなって息が上がってきたけど、フルマラソンの力を発揮するのはこの時とばかりに懸命に腕を振る。

競技場に入ると、若い先生たちの応援の声が届く。ここで抜かれちゃかっこ悪い。懸命のラストスパートで何とか逃げ切ってゴールイン。順位は82チーム中40位。自分のタイムは12分50秒(4:08、4:24、4:18)。チーム10人で3番目の記録ということで一応面目躍如だ。正直嬉しいけどここで偉そうにしちゃ若い人たちに嫌われちゃう。褒めてくれる言葉は素直に受け取るけどね。

今日一緒に走った先生の半分は今までに話したことのほとんどない先生だ。でもこれを機に明日から気楽に話せるようになる、そう思えるのが今日の何よりの収穫。

いろんな人と話をしたい。それがごいさんの永遠の欲求だから。

 

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今年の初授業

冬休みが終わり、今週の火曜日から学校が始まった。今勤務している学校は2学期制なので、始業式はなくその日から平常の授業が始まる。この寒い時に体育館に集まってというのも今思うと体を悪くするようなものだが、長いこと3学期制に慣れていた自分にとっては、何だかけじめみたいなものがなくなってしまったようで物足りない気分なのだ。四季のある日本には、夏休み前と冬休み前とに区切りを入れ、3月に学年末を迎えるといった3学期制が似合っているように思えるのだが。

まあそれはともかく生徒たちが久々に学校に戻ってきた。ごいさんは先週の4日も6日も出勤日だったので学校に行ったが、生徒はもちろん先生もほとんどが休みを取っていたので実に静かな学校だった。それはそれで好きなのだが、やはり生徒の元気な声が聞こえないと学校じゃないね。ということで、昨日今年の初授業を行ってきた。

夏休みや冬休みなどの長期の休みやゴールデンウィークとかでしばらく授業がなかったりすると、その休み明けの最初の授業はいつもながらに上手くいかない。それが分かっているから入念に予習をするのだがそれでも上手くいかない。授業を盛り上げようなんて思って張り切り過ぎて空回りしてしまうみたいだ。今日もそんな感じ。

ごいさんの教室に入っての第一声は、「おはようございます。出席を取ります。」だ。ごいさんは必ず一人ひとりの名前を呼ぶことにしている。授業が始まってしまうとなかなか全員と顔を合わせるのは難しい。授業中に1度も顔を見ないんじゃちょっと淋しい。一期一会じゃないけれど、こうすれば必ず顔を見ることができるのだ。語らずとも「よう、元気か。頑張れよ。」「あー、分かってるよ。」ぐらいのアイコンタクトができる。それだけでその子の今日の様子が何となく分かる。今日はやけに不機嫌だとか、何か嬉しいことがあったのかとかね。それでその後の会話もだいぶ違ってくる。生徒は生きている。無機質的に教えるだけというのはどうにも好きにはなれない。

そういうのもあってごいさんはがんがんプリントをやらせたりするのも好きではない。そうやって訓練することが効果的な場合もあるが、最終的には自分からやろうとしない限り力が伸びることはないと思うからだ。ごいさんの授業は脱線することも多い。数学に限らないが、生徒に授業に興味を持たせるには、まずは先生に関心を向けさせることだと考える。次は何を話してくれるか、そんな思いを生徒が持ってくれたらしめたもの。次の数学の時間が楽しみになり、好きになるまでには至らなくても嫌いになることは絶対にない。そうやって数学への取っ掛かりを作ってあげるのもごいさんの楽しみなのだ。

さてさてそんなごいさんも4月からは完全リタイアをと考えている。講師の口もないわけではないが、母親もまだ元気なうちに、自分のやりたいことに専念してみたいのだ。ということで、教員生活も残り3ヶ月となる。マラソンと同じ、最後までしっかりと楽しんでフィニッシュしたいね。

 

ただ今、勉強中。f:id:goisan:20170112102916j:plain