呑兵衛達の旅 ~福井編1日目~
昨日はとにかくひたすら風邪の悪化を防ごうと懸命に闘った。おかげで今朝は鼻水も止まり熱は37度前半と落ち着いてきた。これ以上の悪化は無いだろうと判断して予定通り出かけることに決める。朝8時15分、JR横浜駅西改札口前に集合して新横浜駅に向かう。「ひかり505号」で米原まで行き、特急しらさぎ5号に乗り換え、11時58分に福井に到着。レンタカーを借り、最初の見学地「一乗谷朝倉氏遺跡」に向かう。見学の前に近くの朝倉亭で福井名物「おろし蕎麦」をいただく。
一乗谷はご存知の通り、織田信長の焼打ちによって一日にして灰燼に帰した城下町である。そして埋もれていたものがそのままの状態で遺跡として発掘されたのである。日本のポンペイと呼ぶ人もいるらしい。今は実にのどかな光景だが、その頃はどんな思いで暮らしていたのだろうか。資料館ではこんなポスターが目に付いた。
「京都にはない。 金沢にもない。 あまりになにもない。 だから面白い。」
このキャッチコピーは佐々木宏という人のもので、調べてみると「そうだ 京都、行こう。」や宇宙人ジョーンズを使ったBOSSのコマーシャルなどのヒット作品を次々と手掛けている。そして例のソフトバンクのCMもだ。彼がここの遺跡や自然の光景に感動したので、この一乗谷を白戸家のお父さん(あのワンちゃんだ)の故郷に設定したのだそうだ。ここでよくCMが撮影されているのもそのためだ。
次に今回の旅のメインである永平寺に向かう。入口を入ると「吉祥閣」の広間に通され、ここでお坊さんから見学のポイントや注意事項の話を伺う。その後は参拝順路に従いながら自由に見学できる。「傘松閣」は一般参禅者の宿泊施設とのこと。2階の「絵天井の大広間」では、花や蝶を中心に天井に描かれた230枚の色彩画が実に見応えがあった。次に「七堂伽藍」だ。「七堂伽藍」とは、法堂、仏殿、僧堂、庫院、山門、浴室、東司の建物のことである。「僧堂」は修行僧の根本道場で、座禅・食事・就寝などが行われる。修行僧はそのすべてを畳1枚のスペースで行うとのこと。こりゃー厳しいです。「山門」は、永平寺で一番偉い禅師様だけが通れる。修行僧は入門の時と修行を終えて寺を出ていく時の2度だけ通ることができるという。山門の前に、除夜の鐘で有名な「鐘楼堂」がある。今年の大晦日はちょっと楽しみだ。きっと新たな気持ちで見られるだろうね。雨にも降られず、今日の見学は無事に終了。よかったです。
宿泊場所は、芦原温泉の「グランディア芳泉」というホテル。歴史もあり北陸ではちょっと有名なホテルのようだ。確かに12畳と10畳という大きな部屋が2つもあり贅沢な造りだ。さて呑兵衛達の本来の目的である今日の地酒は、2種類の純米吟醸酒「一筆啓上」と「ときしらず」。「一筆啓上」はフルーティですっきりと飲みやすい感じ。一方の「ときしらず」はコクがあって味わい深いお酒だった。
部屋に戻るとみんな疲れがどっと出たようで10時半にはもう消灯。さすがのごいさんも昨日の風邪との格闘の疲れから横になってすぐに寝入ってしまった。本当は、こういう仲間との旅行でこんなに早く寝てしまうのはもったいないんだけど。
写真は、永平寺の「鐘楼堂」。除夜の鐘で有名。