みぞちゃんと昔の仲間たち
先週の土曜日、懐かしい仲間との再会があった。この仲間は、ごいさんが4校目の学校で35歳からの3年間を一緒に受け持った先生たちだ。集まったのは学年主任のみぞちゃん、担任のけい子さん、U田さん、けんさん、K川さん、たどちゃん、副担任のかたちゃん、I上さん、それにごいさんの計9名。
同い年のU田さんとけんさんの3人でお正月に飲んだ時、今年こそは昔の仲間で集まろうという話になった。毎年のように「今年こそは集まりましょう」と書いて年賀状の交換はしているのだけど、それを果たせないでいたのだ。年賀状の挨拶とは言え、約束は約束。ずっと心に重くのしかかっていた。前回集まったのは9年前。さすがにその重みに耐えられなくなった。今回は来られなかったK倉先生は70代の後半、みぞちゃんも70代。もちろん自分たちも60代。そんなことも考えた。
みぞちゃんを中心としたその時の学年の先生たちの平均年齢は30歳。K川さんとたどちゃんそれにもう1人と新採用の先生が3人もいたし、ごいさんもまだ35歳。みんな若さがあって活気に満ちていた。学校そのものもできて3年目。これからどういう学校にしていくのか、先生たちのやりがいもあった。毎日みんなと顔を合わせるのが楽しい時だった。
そして何よりみぞちゃんのキャラクターにみんなが引きつけられた。先生ばかりではなく生徒たちからの人気も絶大だった。当時45歳。その憎めない愛くるしい顔立ちはどこかペコちゃんに似ている。生物の先生だからかな、とても優しい目をしている。彼の前ではどんな生徒も素直になってしまう魔法のような目だ。
そう、だからごいさんもみぞちゃんが大好きだ。その頃のごいさんは自分が学校の中心だぐらいに思っている生意気盛りだった。そんな10歳も年下の迷惑な人間の話も丁寧に聞いてくれる。みぞちゃんに信頼を置くのはそれだけで十分だった。彼と過ごした3年間に先生としての多くのことを学んだ。10年後にはみぞちゃんみたいな先生になれるだろうか、そんなこともよく思ったりした。
久しぶりに会ったみぞちゃんはだいぶ弱々しそうに見えたが、お酒が少し入ってみんなと打ち解けてくると次第に27年前の姿に戻って行った。それでなくちゃいけないね。ごいさんのいつも10年先を歩くみぞちゃんは、これからもずっとごいさんの目指すところなのだ。だからいつまでも元気でいてほしい。
みんなで会いたい、それは今日集まってくれた全員が同じ思いだったと思う。みんなが顔を合わせた瞬間、頭の中は27年前の状態にリセットされる。そこに共有されている思い出が次々と話題になっては、大いに盛り上がる。まるで、集まった9人で27年前の思い出のパズルを作りあげているようだ。
約3時間、空白の9年分を語るにはまだまだ足りなかったみたい。腹八分までもいってないかな。だからきっと近いうちにまた会いたくなるよ。また声をかけますね。
ごいさんの選んだ「にぎり8貫」。