第8回 呑兵衛達の旅 ~8月10日~

朝の4時過ぎにそっと部屋を抜け出す。まだひんやりした空気が気持ち良い。知らない土地を走るのは魅力的だ。今朝は、5キロ先の会津鉄道芦ノ牧温泉駅」を目指す。この駅は猫の駅長さんがいるということで有名なのだそうだ。もちろんこの時間はまだ睡眠中。6時少し前に宿に戻り、朝風呂に浸かる。やっぱり走った後は気持ちが違うね。f:id:goisan:20160810044606j:plain

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今日の見学は、会津藩校「日新館」から。開館時間に合わせて到着したから一番乗りだ。こういうのも気分がいい。藩士の子は10歳になるとここに入学する。生徒数は1,000人を超えていたという。15歳までは素読所(小学)で礼法や書学、武術を学び、修了して優秀な成績を残すと講釈所(大学)への入学が認められたという。現在の日新館は、戊辰戦争で焼失したものを1987年に現在の地に完全復元したものだそうだ。f:id:goisan:20160810092733j:plain

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次に向かったのは「勝常寺」という一見どこにでもありそうなお寺だ。周りには住宅が建ち誰でも自由に境内に出入りできる。そんなお寺に1200年もの歴史を持つ国宝や重要文化財の仏像が12躯も安置されているなんて誰も思わないだろう。実はこの勝常寺法相宗の徳一上人よって807年に創建されたという名刹なのだ。他の寺院では拝観というと柵があるなどして遠目に見るといった具合なのだが、ここには柵もなくすぐ目の前で見られるのが凄い。しかも拝観料は500円なのだ。f:id:goisan:20160810103701j:plain

最初に寺の入り口近くにある収蔵庫に案内される。そこには国宝の日光・月光菩薩像と重要文化財の仏像9躯が安置されていた。確かにこれだけ揃うと圧巻の一言に尽きる。続いて、建物そのものが重要文化財の指定を受けている会津中央薬師堂で中央薬師(木造薬師如来坐像)と対面する。ひんやりしたお堂にお線香の香りが漂う。薬師如来像を目の前にして、まさに幽玄の世界に引き込まれていく感じだ。自然と両手を合わせて目を閉じる。f:id:goisan:20160810105614j:plain

この後、喜多方市でM橋さんお勧めの「老麺まるや」というお店で喜多方ラーメンを食べる予定だったのだが、お祭りのため道路が閉鎖されそのお店まで辿り着けない。みんなもまだお腹が空いていないというので、昼食は道の駅「裏磐梯」で軽く済ますことにした。

そして今日のメインの五色沼の散策となる。裏磐梯高原バス停から五色沼入口バス停に向かって歩く約3キロのコースだ。柳沼から始まって、青沼、瑠璃沼、弁天沼、深泥沼、赤沼と続き、最後に一番大きな毘沙門沼で終わる。五色沼1888年磐梯山の水蒸気爆発によってできたもので、それぞれの沼の水に含まれる成分や水中の植物の違いにより、緑、赤、青などの様々な色彩を見せることが名称の由来になっているとのことだ。f:id:goisan:20160810135423j:plain

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(瑠璃沼)f:id:goisan:20160810140750j:plain

(毘沙門沼)f:id:goisan:20160810144714j:plain

さて今日のお宿は「裏磐梯高原ホテル」。我々にはそぐわない感のある立派なホテルだ。天皇陛下や皇太子も利用したという。まず感激したのが中庭からの眺め。綺麗に手入れされた芝生の庭の向こうに五色沼の1つ弥六沼が広がる。そしてそこから望む磐梯山はまさに絶景だった。裏から見る磐梯山、なんて魅力的なんだろう。f:id:goisan:20160810162044j:plain

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(そして乾杯! 今日も楽しかったね。)f:id:goisan:20160810182343j:plain