新しい扇風機
今年の夏は本当に暑い。働いていないごいさんは昼間はたいてい家に居るのだが、たまに外に行くとお湯の中を歩いているそんな感じだ。水道の水もぬるま湯状態でもはや水とは呼べない。そんな中、一昨年あたりから不調になっていた扇風機がとうとうまったく動かなくなってしまった。部屋にはエアコンがあるから十分なのだが、あのひんやりとした空気のどんより淀んだ感じがどうにも好きになれない。体全体が冷えてしまうのだ。
早速に新しいのを購入しようと近くの家電量販店に行ってみたら、入ってすぐのところでいきなり赤い大きな文字で「セール」と書かれた1,980円の扇風機が目に飛び込んできた。これは安い。周りを見まわしたら5,000円前後は当たり前。これにしようと気持ちは決まったのだが、ここですぐに買わないのがごいさんの性格。一時の勢いではなく、家に帰って気持ちの落ち着いたところで決めたいのだ。
と言ったって、もうそれにすることはほぼ決まっている。たいていの場合、すぐに買うのが何となく嫌なだけなのだ。それで2日ほどして改めて出かけて行ったらすでに売り切れていた。もうそこには5,000円前後のものしかない。当たり前だよね、だからセールなんだもの。こういうことって何度もやって承知しているはずなのに相変わらず懲りない。慌てて他の店にあたったけど見つからなかった。そして悲しく思うのもいつものことだ。
それがこの前たまたま食材の購入で立ち寄ったイオンの電化製品売り場に1,980円の扇風機が置いてあったのだ。それも3種類も。もちろん今日はそれを目当てに来たわけではないけど、ここで会ったが百年目、今日こそ逃すわけにはいかない。そうして3種類から1つを選ぶ作業に入ったのだが、みんな似たり寄ったりでどれを買っても同じだろうにあまり違いが分からない。結局、3種類から1つを選ぶのに10分余りも迷って、そして選んだのが下の写真の扇風機。
ようやく当初の目的が達せられた。思わず笑みがこぼれてくる。何が嬉しいんだか自分でもよく分かっていないのだが、でも確かに満足感と幸せな気分を味わっていたのは確かだ。家に帰って早速に組み立て、そしてスイッチを入れる。静かに回転が始まる。そうして生ぬるい風が送られてきた。8月になってやっと購入した扇風機。でも今年の夏は長くなりそうだから、まだまだ活躍が期待できるだろう。
さてさて、なんでこのぐらいのことで記事を書いているのか、書くことがないからか。う~ん、確かに。とは思うのだけど、ちょっとだけ理由をつければ、こんな些細なことで幸せな気持ちになれたのって久しぶり。子供の時に欲しいものをやっと買ってもらったような気持ちだ。そんな気持ちがこんな年になった自分にも残っているんだなあと思ったらほっこりしてきて、そんな思いを書き留めたかった……というところかな。
何も余分なものはついてないけど、シンプル・イズ・ベスト。ごいさんの良き相棒になってくれそうだ。