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卒業式 余談

卒業式には音楽が付き物だ。ごいさんたちの頃は「仰げば尊し」だった。

仰げば尊し わが師の恩
教えの庭にも はや いくとせ
おもえば いと疾し(とし) このとし月
いまこそ 別れめ いざさらば

この歌には忘れられない思い出がある。それは中学校卒業を控えて、みんなで歌の練習をしていた時だ。後ろの子に話しかけられて釣られて喋った時、壇上でピアノを弾いていたN井先生に「こらっ、ごい○○。何を喋ってるんだ。上に上がってこい。」と怒鳴られた。恐る恐る壇上に上がると、「仰げば尊し」を歌えと言う。200人余りの同級生の目が自分を見ている。ごいさんは口ひげを蓄えてお腹のぷっくらした英国紳士風のこのN井先生が好きだった。2年生で転校してきたごいさんを担任として優しく面倒を見てくれた先生なのだ。こんな風に叱られるなんて思ったことも無いけど、でもよく考えればごいさんが悪い。それにできないことを先生が命じているのでもない。ごいさんは息を深く吸い込んで歌うことに決めた。音程は狂っていたかもしれないけど精一杯の大きい声で歌った。そう、「わが師の恩」。ごいさんは学校も先生も大好きなのだ。ごいさんはおっちょこちょいだしお調子者だ。それをその都度ちゃんと叱ってくれる先生を恨んだりしたことは一度も無い(と思う)。歌い終わった後のことはごいさんの記憶から消えていて、何故かそこだけがN井先生の思い出と共に鮮明に記憶されているのだ。

先生になって初めての卒業式で久しぶりに「仰げば尊し」を聴いたのだが、その後歌われなくなってしまった。歌詞に対してのいろいろな意見があったと聞いている。

ごいさんが先生になってからはやはり金八先生の「贈る言葉」だろう。
「信じられぬと 嘆くよりも  人を信じて 傷つくほうがいい」
中でもこの歌詞の部分が特に好きだ。とにかく人を信じ続けよう。どうしてもだめだと思えるまで。いくら傷ついたってたかが知れている。この歌詞にはいつも勇気づけられてきたんだ。

そして今は、素敵な曲がたくさん作られている。レミオロメンの「3月9日」、埼玉県の先生が創ったという「旅立ちの日に」、キロロの「未来へ」、いきものがかりの「YELL」、ゆずの「栄光の架橋」等など。どの曲もみんないいなあ。ちょっと聴いただけでも生徒と過ごした日々が思い出され、目頭が熱くなってくる。

先生でなければ味わえない思い出。ごいさんはずいぶん得をしているように思う。

 

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