しゃぼん玉 飛んだ

昨日、一昨日の遠出のランニングの疲れがあったので、朝は遅めに起きた。ゴールデンウィークも今日で終了。明日からまた仕事再開だと思うと、気持ちが少しばかり重い。職場に行って生徒と接すると元気になるのは分かっているのだが。ただ、何かと慌ただしくなるのは事実だ。せめて今日一日はのんびり過ごそうと思った。それでもやっぱり午後になると家にばかりじっとしていられなくなる。明日からの仕事のことなんかも考えながら横浜まで歩いてくることにした。

途中の公園で、しゃぼん玉を飛ばして遊んでいる女の子を見かけた。野口雨情の「しゃぼん玉」を思い出した。2年ほど前の茨城の田舎の祖父母の墓参りのついでに、いわき市の湯本温泉というところに立ち寄ったことがある。そこに野口雨情の記念館がある。「赤い靴」、「七つの子」、「雨降りお月さん」などの作詞で有名だ。もちろん「しゃぼん玉」もね。

湯本温泉は、ごいさんが小さい頃に一度だけ連れてきてもらったことのある温泉である。小さい頃は貧しくて、母も今でいうパートみたいな感じで働いていたけど給料は安かった。父親はパーッとお金を使ってしまう。借金取りみたいな人が来ていたこともあった。食べるのもやっとだったのだろうけど、それでも時々は家族で出かけていた。時として贅沢な思い出だから小さい頃だったにも関わらず記憶に残っているのだと思う。この湯本温泉もしっかり覚えているんだ。きっと小さい頃のごいさんは楽しみにしていたに違いない。だいたい温泉旅行とか1泊旅行なんてそうそうあるもんじゃない。この後に覚えている家族旅行といえば、妹の結婚する前に父親の運転で行った箱根旅行しかない。その頃御殿場にあったファミリーランドで遊んで箱根に泊まって帰ってきた。ただそれだけである。でもそれが最後の家族旅行だったんだけど。

しゃぼん玉で遊んでいる女の子を見て、「常陸多賀」という田舎で暮らしていた小さい頃を懐かしく思い出していた。ごいさんは体は小さいながらもガキ大将だったんだよ。学校が終わると、毎日のように鬼ごっこやチャンバラをやった。海にも山にも近いから、仲間を連れ立ってあちこちに探検に出かけていた。貧乏だったけど、その頃のごいさんは自分は不幸せだなんてこれっぽっちも考えていなかったと思う。でも、早く大人になりたいとは考えていた……。

小さい頃は、雨情の曲を大きな声で歌ったけど、改めて詩を読むと、本当は切ない感じの詩が多いんだね。また田舎に行きたくなっちゃった。

  

写真は、公園でしゃぼん玉を飛ばす女の子

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