小学校クラス会の旅 ~ 宝川温泉 ~
小学校6年の時のクラス仲間6人と群馬県の宝川温泉に一泊してきた。このメンバーは年に1~2回の旅行や集まりを続けているという。ごいさんは今回が初めての参加である。ごいさんは6年生の9月に転校してきたので、彼らとはわずか半年のつき合いしかない。彼らは先生からも頼りにされていてそれに都会的で、田舎から出てきたごいさんには遠い存在だったから話をすることもほとんどなかった。それでも不思議なことに彼らのことがはっきりと記憶されている。よほど印象深かったのか、彼らの仲間に入りたかったのか。
ごいさんは彼らにとってどのような存在なのか、それがよく分からない。それを明らかにしたいと思ったのがこの旅行に参加した理由の一つ。そしてもう一つは、新しい記憶を作り出すため。小学校の時の彼らとの思い出はほとんどない。ならば新しい思い出を作っていけばいいと考えたのだ。
では参加者の紹介をしよう。まずは今回の企画立案者O塚君。静かな物言いと上品なさまはまさに英国紳士風。次に小学校の時から常にリーダー格のN友君。そして諏訪からわざわざ駆けつけてくれたT井君。唯一、彼とは遊んだ記憶がある。女性陣はまずはM上さん。担任のU木先生のお気に入りで学級委員長だ。次に才色兼備で男子の憧れ的存在のI藤さん。それに今度ごいさんと一緒に幹事をやるI川さん。行動的な女性で頼もしい。
朝8時に集合しレンタカーを借りて出発。厚木から圏央道に乗って関越道に入る。沼田ICで降りて「田園プラザかわば」という道の駅で、諏訪から来るT井君と合流。そこでお昼を食べてから谷川岳に向かう。麓から天神平までロープウェイに乗りそこからリフトで天神峠に上る。風もなく雲もほとんどない。周囲の山々の紅葉が目にも鮮やかで、本当に感動的な美しさだ。
そして今回の宿泊地は宝川温泉「汪泉閣」。紅葉した山々に囲まれたひなびた感じの一軒宿。ここの売りは4か所の露天風呂。3ヶ所が混浴で1つが女性専用になっている。女性は湯あみというのを着て入る。せっかくなので我々も早速行ってみる。意外と女性が多いのには驚いた。
翌朝5時を少し回って目が覚めたので紅葉狩りを楽しもうと一人散歩に出かける。独り占めしているのがもったいないくらい。紅葉に包まれるようにあるこの旅館は、千と千尋の油屋のよう。どこからか湯婆婆やカオナシが出てくるんじゃないかと思ったりする。朝の空気と共にスーッとした爽快な気持ちになる。
朝風呂に入り朝食もしっかり食べ、さあ帰り道。高崎にある「登利平」というお店で昼食を摂った後は、関越道、圏央道と乗り継いで、夕方5時少し前に戻ってきた。雨が降っていたが順調だった。
この旅行を通してどれくらい自分を知ってもらえただろう。話しかけてくる口調が少しは友達のようになってきたかしら。少しずつこの関係が変化していくのが楽しく思える。またの再会を約束して解散。人生の楽しみがまた一つ増えた……かな。
注:目が垂れている子がごいさんです。