母親の介護認定調査
昨日、母親の介護認定更新のための聞き取り調査に立ち会ってきた。初めて介護認定を申請したのは2年前になる。正月明けに心筋梗塞の疑いで母親が入院することになった。夕食を食べた後に急に胸が苦しくなったという。気丈な母は1時間余り耐えていたのだがついに耐えきれず妹に電話したのだという。2週間ほど入院していたがどうにか無事に退院できた。かなりの苦しみようで一時はどうなってしまうか心配だったが本当に安心した。その入院中に病院にいたケースワーカーの方から介護認定を受けておいたほうがよいだろうとアドバイスを受けたのだ。
その年は退院して間もなくで体力もだいぶ落ちていて「要支援2」という判定になった。そして昨年の更新時は、体調も順調に回復したせいか「要支援1」という軽度の判定になった。自分のことは自分でやるという昔気質の母の性格から今のところなんのサービスも受けてはいないが、認定を受けているということで安心感はある。
母は一人で暮らしている。朝7時ぐらいに起きて朝食。午前中はゲートボールに行って友人との会話を楽しむ。午後は明るいうちにお散歩だ。毎日5,000歩を歩くのを日課としている。夕方からはテレビでのスポーツ観戦。プロレスや相撲が中心だがバスケットボールやバレーボールなども興味があるようだ。ルールもよく知っていて一緒に見ていると詳しく解説してくれる。うんうんと頷くとまた嬉しそうな顔をする。夕食も自分で作る。出来合いの総菜を買ってきて食べることはまずない。お風呂に入って夜の10時にはベッドに入る。
足るを知るとは今の母親にまさにぴったりの言葉だ。決して贅沢をするでもなく毎日を平平凡凡に過ごしている。それでも体も元気で周りには友だちもたくさんいてとても楽しそうだ。煮物などを多めに作れば仲間に分け与えて喜んでもらう。ちょっとした姉貴分だね。子から見た母の人生は決して楽な人生ではなかったと思うが、彼女自身は十分幸せに生きた人生だと思っているようだ。
調査員の方と話をしている母の姿はとても小さくて子供のように見えた。母さんもやっぱり年をとったね。自分の記憶にある母親はいつも強かった。怖いくらいの存在だったけど、今はずっとずっと柔らかい顔になっている。ただ自分自身には相変わらず厳しい。ボケてみんなに迷惑をかけないようにと毎日の散歩とパズルを解くのを日課としている。最後まで一人で生き抜こうとしている、そんな思いが伝わってくる。
さてさて、これだけ元気なら今日の判定も「要支援1」だろうね。まあ元気ならそれでいいのです。耳だけはかなり遠いが背筋もぴんとしてこの年にしては若い方だと思う。来月には母の86回目の誕生日がやって来る。なんだかこの前ブログに書いたばかりのように思うのに早いもんだ。母親と出会って63年。どうせならもう少し付き合いましょうね。