テニスの仲間たち (前)

2年前の4月に三ツ沢公園で開かれているテニス教室に通い始めた。もうすぐ2年になる。始めた理由は、もちろん上手くなりたいから。以前にブログの記事にも書いたが、時々集まってはダブルスの試合を中心に仲間とテニスを楽しんでいるのだが、彼らのほとんどは現役の時にテニス部の顧問をしていたりしてかなりの技術を持っている。だからごいさんはいつも彼らの足を引っ張っている。ペアを組んで試合となるとほとんど勝てない。みんなもその実力の無いのは認めてくれているから決して文句は言わない。いや逆にいいプレーをした時は大いに褒めてくれる。それでも負けてばかりいるのはやはりつまらない。

一昨年3月に完全リタイアしたのを機に、テニスについても少しばかり本気になってみようと思ったのだ。この歳で今さら急激な上達なんて望まない。でも少しでも彼らに近づきたい。それで見つけたのがこのテニス教室だった。朝の9時半からの90分間。参加者は40人ほどで、レベル別に3つのクラスに分かれる。ごいさんは大した実力もないけど形だけは中級レベルに所属。男性のほとんどはどうやらごいさんと同じく退職した人ばかりのようだ。

レッスン中は話などしている暇もないし、終わるとみんなすぐに帰ってしまう。とても仲間を作れるという雰囲気ではなかった。そんな中、10か月が過ぎた頃、ちょうど昨年の1月だ。同じ教室のK内さんという方から声がかかって一緒にプレーすることになった。22日のその日は朝から小雪がちらついていてできそうもない感じだったが、とりあえず行ってみると、すでにK内さんとY中さんがコートの中で打ち合っていた。もう一人が来るということだったがあいにくの天気で来なくなったようだ。

混ぜてもらって練習していると、果たして、雪の降り方が激しくなってきた。結局1時間で打ち切って、レストハウスで歓談となる。それまで全く話したこともないのに不思議なものだ。雪の中でたった1時間一緒にプレーしただけなのにちょっとした絆ができたよう。K内さんは70歳ぐらい、Y中さんは自分よりちょっと上。それから1年経った今でも彼らのことはそれ以上分かっていない。初めて話した割には話が盛り上がってあっという間に小一時間が過ぎる。「またやりましょう」という約束を交わしてその日は別れることになった。帰り道はすでに大雪となり、道路にも雪が積もり始めていた。

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