秋のお墓参り

今年も秋のお彼岸がやってきた。雨が落ちてきそうなどんよりとした天気だったが、中日の木曜日の天気も不安定そうなので今日墓参りに出かけることにした。年に春と秋の2回、毎度毎度の代わり映えしない恒例行事である。もちろんそれだけ平穏に暮らせていることだから決して不満はない。

いつものように実家に母を迎えに行く。そしていつものように母は大きなおはぎを作って待っている。熱いお茶と一緒にまずは1個を食べさせられる。それから横浜の外れにある父の墓に向かう。いつものようにお墓の掃除が始まる。もう今年はやらないんだと言いながら、いつもと同じようにごしごしと懸命に墓石を拭いている。綺麗になったところでお供えを上げ、お線香に火をつける。

父の墓の隣に伯母さんの墓がある。娘は仙台にいてなかなか来られないということでこちらも同じようにしてお線香を上げる。この伯母さんにはいつも可愛がってもらっていて、ごいさんは大人になってからもずっと「あや子姉ちゃん」と呼んでいた。頼りにもなったし親戚の中では一番好きだった。

次は横浜の中心に近いお寺に眠るおばあさんのお墓だ。このお墓にはおじいさんや伯父さんも眠っている。高台にあって見晴らしがいい。夜景は見事だろうと思うが、さすがに夜のお墓には来られない。この横浜のおばあさんは小さい頃のごいさんにとって大事な存在だった。一年に一回ぐらい横浜から遊びに来てくれるのだがそれがどんなに待ち遠しかったことか。ごいさんが小学校に行っている間に帰ってしまうことが多かったが、その時の悲しみは今でも思い出すほどだ。

小学校6年になって横浜に引っ越してきて近くに住むようになった時はどんなに嬉しかっただろう。それなのに田舎で会っていた時ほどに優しくしてあげなかった。まだ元気だと思っていたのにくも膜下出血での突然の死。まだまだ何かしてあげなきゃいけなかったという思いが強く残る。

雨は降ったり止んだりしていたが、不思議とお墓参りしている時だけは上がっていて、とくに傘を差すこともなく無事に終えることが出来た。今日は道路も空いていていつもより1時間ぐらい早い。昼食はいつものように回転寿司だ。そしてこれまたいつものように母のおごりだ。ありがたやありがたやと思いながらご馳走になる。こうして母と外で食事をすることなんてめったにないから、母も楽しいのだと思う。もっと食え、もっと食えと言うけど、もう食えないよ。

お腹もいっぱいになって、母を送り届ける。今年も春秋のお彼岸をいつものパターンで行うことが出来た。改めていつも通りにできるという幸せを感じている。なんてありがたいことだろう。

 

彼岸花」さん、今年は遅れ気味かしら? お彼岸、終わっちゃいますよ。f:id:goisan:20160919123037j:plain